土屋ノリオ

幼な子われらに生まれの土屋ノリオのレビュー・感想・評価

幼な子われらに生まれ(2017年製作の映画)
4.2
重松清の小説を浅野忠信と田中麗奈が主演し映画化された本作。シャツのボタンを留めている浅野忠信は『淵に立つ』を思い出して嫌な感じがしたのだが、荒井晴彦の脚本、『しあわせのパン』『繕い裁つ人』三島有紀子監督の子供達の姿を引き立たせる繊細な演出は、前作の『少女』より素晴らしいで出来栄えであった。ちょっと面倒くさい女性を演じる田中麗奈は抜群の存在感で、宮藤官九郎もいつもとは違う、哀愁が漂う背中はいい味を出している。

「父親と娘の微妙な繋がり」

の見せ方、語り方が観客の心に飛び込んでくる感じで、今年の邦画では一番の作品になりました。
土屋ノリオ

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