幼な子われらに生まれの作品情報・感想・評価

幼な子われらに生まれ2017年製作の映画)

上映日:2017年08月26日

製作国:

上映時間:127分

あらすじ

バツイチ子持ちで再婚した中年サラリーマンの主人公・信(浅野忠信)。二度目の妻・奈苗(田中麗奈)とその連れ子の二人の娘と共に、平凡ながらも幸せを感じて生活していた。 仕事への熱意はあまりないが、2度目だからこそ家庭を大事にし、連れ子にも父親として誠心誠意接しているつもりだ。しかし、奈苗の妊娠が発覚し、それを契機に長女が「ほんとうのパパ」に会いたいと言いはじめる。前の父親・沢田(宮藤官九郎)とはD…

バツイチ子持ちで再婚した中年サラリーマンの主人公・信(浅野忠信)。二度目の妻・奈苗(田中麗奈)とその連れ子の二人の娘と共に、平凡ながらも幸せを感じて生活していた。 仕事への熱意はあまりないが、2度目だからこそ家庭を大事にし、連れ子にも父親として誠心誠意接しているつもりだ。しかし、奈苗の妊娠が発覚し、それを契機に長女が「ほんとうのパパ」に会いたいと言いはじめる。前の父親・沢田(宮藤官九郎)とはDVが原因で離婚しており、信と妻は面会を反対するが、長女は露骨にいやがる態度と辛辣な言葉で、父親としての信の存在自体を否定する。長女との関係、そして今の家族に息苦しさを覚え始める信は、やるせなさを抱えたまま、前の父親に長女を会わせることに。 さらに、長女を前妻(寺島しのぶ)との娘とつい比べてしまい、前妻に愚痴をこぼす信。今の家庭を維持することに疲れ、これから生まれ来る命の存在すら否定したくなる信だが―。

「幼な子われらに生まれ」に投稿された感想・評価

a2y6a

a2y6aの感想・評価

3.9
ちょっと昔の漫画になるけど太刀掛秀子さんの『花ぶらんこゆれて…』を思い出した。
家族みんなの血を引いた子供が家族を引き裂く火種になる。
内容は全然違うけど…。
でも、最近の邦画の中ではちゃんと映画になってたし、映像は好きだった。
家に早く帰る為の降車エレベーターの小道具としての使い方が上手いし、クドカンの後ろ姿にポケットの小銭の音が響くのも父親を垣間見せる良い演出だったと思う。
ここ

ここの感想・評価

3.5
観ていて辛かった。
みんな、それぞれ勝手なことを言ってる。
でも、割とリアルにみんなそうかもしれない。
長女もそういう年頃だし、不自然さを感じてしまうのも分からなくもない。子役の子は上手だった。
傷つけ合いながらも危うい所で家族って成り立ってるのかな。
育った環境で感じ方が違う映画と思う。
普通ってむずかしい。

クドカン父が遊園地でスーツだったのが、救われた気がした。
Masao

Masaoの感想・評価

4.2
これは良いものをみた。
映画館で思わず膝を打った。

"血の繋がらない家族 血の繋がった他人"
ステップファミリーで思春期の娘には他人と住みたくないと言われ&長年勤めた大手企業から関連会社へ出向を言い渡されるも40歳で転職スキルもなくこれから給料が上がらないかもしれないという、ストレスフルな中年サラリーマンの葛藤を描いたお話。

物語が進むにつれてどんどん苦境に追い詰められる浅野忠信が、いつか淵に立つと同じように、急に赤いTシャツになってブチ切れるんじゃないかと思って、ヒヤヒヤしながら観てました…笑

家族の問題は、理由の解決でなく、感情の解決なんだな、っていうのは目から鱗でした。いや、当たり前なのかな…。
普通父親は1人しかいないのに、2人もいるなんてラッキーじゃん!急に姉妹が増えるなんてハッピーじゃん!と思うんだけど、きっとそういう理屈じゃない。

車内で妹に打ち明けるシーンが好き。ここでようやく、一人カラオケでも深酒でも抜けなかったストレスがちょっと抜ける気がして。

良い映画だった。
namuge

namugeの感想・評価

-
タダでさえ父親との関係がうまくいかない思春期の娘、それが血の繋がりのない父親なら尚のこと。浅野忠信の普段はニコニコしているんだけれどブチギレたら何しだすかわかんねえっていう妙な胡散臭さは本作でも全開でこんな人が新しく自分の父親になるとしたらなにかと難しい思春期の娘でなくとも身構えてしまうところ…いやあ…ナチュラルサイコパス…

重松清さんの小説って何を読んでもとっても居た堪れない気持ちになってしまうので苦手…でもやっぱり泣ける。
一見幸せそうに見えるファミリー。
しかし果たしてそのどれだけが形通りに幸せであるのだろうか。

郊外に立ち並ぶ無機質な団地、しかしよく見るとエスカレーター様のものが違う。山の麓から頂上にずっと伸びるそれは、エスカレーターではなく斜行エレベーターである。山に沿って住宅があり、そこの住民用に開発されたエレベーター。遠目から見れば普通に感じるのに、近くに寄ると実態は奇妙なものがある。それは信の家族にも言えること。

日本でも恐らくはステップ・ファミリーの割合が高くなって来ているからこそのストーリー。幸せになるために敢えてそれまでの家族を終わらせた。そして今度こそ幸せになろうと新たな家族を見つけた。そこから幸せになれる確率はどのくらいなのだろう。「親たちにとってはその選択が幸せであったとしても、子どもたちにとってはそうとは限らない」という可能性は、新しい一歩を踏み出す時には親たちの中ではさしたる心配事ではない。しかしその心配事が現実的となってしまった時、どう対処すればいいのだろうと初めて親たちは途方に暮れる。


信と沙織
信と薫
信と恵理子

奈苗と薫
奈苗と恵理子
奈苗と沙織

沢田と薫と恵理子

友佳と沙織

薫と沙織
薫と恵理子

そして
まだ見ぬ我が子


それぞれの糸は、絡むつもりもなかったのに、いつの間にかどうしようもなく複雑に混ざり合い、ほどけなくなる。ほどこうとしてもそれは無理なのだろう。絡まったところから、どう進んでいくのか。絶対に理解することはないと信じ込んでいた心が、きっかけがあって初めてほぐれていく様は、絡み合った糸に似ている。それぞれがある意味わがままだった4人の親たちが少しずつほぐれる時、子どもたちもまた自分たちの世界を広げるのかもしれない。

沙織、薫、恵理子のキャスティングがいい。それぞれの子が持つ屈折したものと、真っ直ぐなもの。光と陰、そこを的確に表していた配役だった。脚本も演出も、恐らくは原作に誠実に作っていたのではなかろうか。
koof

koofの感想・評価

3.7
冒頭は遊園地での沙織と主人公(実父)で始まる。沙織は、大人びていて、気が遣えて、ダメなパパを困らせない賢い子だ。この遊園地の一連のシーンは、親子で遊んでいるというよりかは、デートに来ているカップルみたいに映った。あ、そうか、この二人は、傍から見たら親子なんだろうけど、別々の家に帰るんだと、皮肉な始まり方で、引き込まれた。

薫もまた、主人公の本質を突いていて、正しい。最近の子供はびっくりするくらい大人だよな、と自分の妹を思い浮かべた、がすぐに頭から消した。でもベッドの上にぬいぐるみが陳列してあったりして所謂子供らしい一面が見えたら、よりリアルになって、説得力を持ったとも思う。全てにおいて大人びてるわけではないんだと。これほどランドセルが似合わない子は珍しい、たまにいるけど。

特にうまいなぁと感心したのは元妻との車の中でのシーン。確かに男というものは相手の気持ちになんて甚だ興味がない。そして、こういうときの女の叙情は大抵強い。相手に何も言わせなくさせる。

沙織の父親の危篤を知り、病院へ向かう車内でも共通するが、車の中の圧迫した空間だと逃げ場がない。緊張した空間で会話が行える。だから、雨による雑音が勿体ないと感じた。

あとは子供部屋に鍵をつけようとする前の、夫婦喧嘩。主人公が敬語口調で声を荒げる。怒っているときでも敬語口調にすると、自分の中で冷静さを保てる。そして相手に与えるダメージも大きい。そういうのを無意識でやってしまう、男の惨めさがにじみ出ていた。主人公はもう別れて楽になりたいんだ、逃げたくて逃げたくてしょうがないんだと。禁煙なんてのもしたくないんだ。

お気楽で自分勝手な母親と、血のつながってないダメな父親。この家族はエリコによって崩壊を免れているんだなと感じた。エリコは主人公の事をパパと呼び、すり寄ってくれる。何も知らないエリコに対する見栄と同情。この抑止力は大きい。
言葉が汚くて御免なさい。

はっきり言って、糞映画です。
それに長々とレビューを書くのは時間の無駄なので、手短に!

まるで窒素不足のキャベツの様です。
(キャベツは、窒素不足になると丸く纏まりません。)

兎に角、最後まで纏まりのない映画です。
Garu

Garuの感想・評価

4.2
まず映像が最高に良かった。

ちゃんと調べてないけど、おそらくたぶん16ミリで撮影しているのが最高だった。
なんかわからないが個人的にすごく気持ちが動く色と質感だった。素晴らしい。

もちろん内容にも合っていたと思う。本作での正解のない家族の問題や、複雑で自分でもわからなくなる自分の感情みたいなものにマッチしていた。

複雑にしてしまった家庭事情に翻弄される主人公。構成をパターン分けしながら観てしまう。
抱えてる問題は家庭ごと、そして個人でバラバラだ。

主人公の浅野忠信さんはどんな役でも「普通の人じゃないかも感」が残ると思っている。
そんな部分と本作の斜行エレベーターや階段のショットや16ミリでの青みがかった暖かみのない映像に合っていた。

男の嫌な所も、女の嫌な所も描かれているが、最高潮に盛り上がるわけでもなく、静かに丁寧に伝えてくる。
そして浅野忠信さんをはじめ、見事な演技で引き込まれる。

「そして父になる」ではないが、女性の子供を産んだと言う究極の強みに対して男は最後にどういう気持ちを持って苦難や心の葛藤を乗り越えればよいのか。
結局なるようになるが正しいかもしれないが、人間の希望が生んだ苦悩は世界共通の悩みだろう。

エンターテイメント的なインパクトは弱いかもしれないが、素晴らしい映像で心に残る作品だった。
ちぼ

ちぼの感想・評価

4.0

このレビューはネタバレを含みます

家族って基本こういうものだよなあと思った。綺麗な形をした家族なんていないし、血は繋がってても所詮は別の個体。個々が集まって家族を形成してるんだから、形が歪むのは当たり前。正解もなければ不正解もない世界だからこそ、ぶつかり合いながらなんとか形を保とうとする。そういった家族のしがらみがリアルに丁寧に描かれてると思った。
血が繋がってても血が繋がってなくても別々の人間であることには変わりないから、この家族が特別すごく歪んでるわけでもない。幸せそうに見える家族ほど歪みがあるもの。お姉ちゃんの「分からないけど何か嫌」って分かる。文章化できない、感覚的なものだけど家族だからこそ感じる嫌悪感ってあるよな、と。
でも家族だからこそ切り離せない何かがあって、それを宮藤官九郎がうまく表現してた。ぬいぐるみを見た瞬間涙が溢れた。家族って難しいなあってつくづく思う。
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