エビフライ

ワンダー 君は太陽のエビフライのネタバレレビュー・内容・結末

ワンダー 君は太陽(2017年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

観た後にあたたかい気持ちになれます。
ストーリーよし、雰囲気を楽しむのもよし。

登場人物の1人1人に魅力があり、みんないい人たちです。
いじめっ子のジュリアンさえもそこまで..という印象。
むしろ、親が教育熱心で一見優等生なんだけど、大人と子ども同士の前で態度を使い分けるずるがしこい子って小学生の時にいませんでしたか?笑
ジュリアンの両親は裕福で教育熱心そうだけど、いじめで校長先生に呼び出されてるのに「私が書いたのを持って行っちゃったの」だの「教育委員会に友人がいる」だの自己中...。この親に育てられたら窮屈だろうな。
彼は校長室を出るときに「校長先生、ごめんなさい」と後悔していましたね。校長先生も「本当は良い子なのを知ってるよ」みたいなあたたかい言葉かけをしていましたね。このシーンも単純に勧善懲悪にならなかったのがよかったです。

劇中の誰かの言葉でもあったように「物事には二面がある」。
この「二面」をテーマに物語は進んでいきます。
建前でオギーのことを悪く言ったジャック、オギーに優しいけど本当は寂しい姉ヴィア、ヴィアを避けるミランダ。
主人公以外の視点でも語られ、物語に深みが生まれています。

こういう特徴ある主人公の物語って、底抜けに明るくてパワフルな主人公が周りの人たちを変えていく、みたいなイメージがあるけれど、オギーは賢くてユーモアがあって優しいけれど、いたって普通の子。はじめは学校が嫌いだったり、家族に八つ当たりしたりといわゆる”できた子”ではない。
そんなオギーがちょっとの勇気で友だちができて、一度は裏切りに傷ついて、仲直りしてと年相応の経験をしただけのこと。1人の少年の成長の話です。感動の押し売りみたいなのは特に感じませんでした。

姉との関係もよかったですね。両親に言われても入らないのに、お姉さんに言われるとスッと心に入っていく。お姉さんも優しくて弟思いだけど、好きな男の子の前で「一人っ子」だと嘘をついたりと完璧な姉ではないのがまた自然です。きっとアンビバレントな思いを抱えてきたんだろうな。
学校で嫌なことがあったオギーにお姉さんが「最近ミランダが来ないでしょ?人は変わるのよ。because school sucks、みんな経験してることよ」と言って、ハロウィンに誘うシーンが好きです。

冒頭でも触れましたが、雰囲気を楽しむのもよしな映画です。
はじめの方の主人公が宇宙チックな寝室でピョンピョン跳ねてるのとか、宇宙服を着て学校の廊下をスキップしてるシーンがかわいらしいです。
エビフライ

エビフライ