SUPERxSNICKERS

ワンダー 君は太陽のSUPERxSNICKERSのレビュー・感想・評価

ワンダー 君は太陽(2017年製作の映画)
4.0
あえて言ってしまえばありきたりな映画だ。
が、それぞれのキャラクターの心情をチャプター分けした構図は見事で、全てがゆっくりと円の中に引き込まれていく。
またこのチャプター分け、何が良かったって大人のチャプターが無い事だ。
それぞれのチャプターは主人公となるキャラクターの内なる感情を中心に描かれていて、子供時代を経験した人ならば(要するに人間ならば誰もが)その状況を理解し、一見酷いと見えてしまう行為も必ずしも悪かと問われれば思わず悩んでしまうシーンも多い。
そこに仮に大人のチャプターがあったとしたら“大人になったという経験”から全てを容易に対処してしまえるからだ。
が、子供はそうはいかない。
子供だって生きるのに必死だ。
友達と意見を合わせたり、付き合う相手で自らの価値を固めたり、様々な経験を経て大人になった私達にとっては“そんなことで”と思うような事でも本気で苦しむ。
大人のチャプターが無い事で、各子供達が何をどう考え抜いたのかという最も大事なところを経験で覆い隠す事をしていない。
今、まさに“経験の最中”である事を上手いこと描いてる。
私自身が親となった事で見えた点も沢山あった。
ただ逆に自分が子供の頃にこの作品を観ていたらどうだったかな、とも思う。
だからこそ、我が子にはいつか観てもらいたい作品だ。