ざきつー

プルーフ・オブ・マイ・ライフのざきつーのレビュー・感想・評価

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恋に落ちたシェイクスピアですっかり僕も恋に落ちちゃったグウィネスパルトロー

監督も同じだしこれは期待してしまいます

…が、どうにも乗れませんでした

グウィネスパルトローはさすがだったんですよ
不安定でほっとけない影のある感じ、寂しそうな目つきと子供っぽさを残した口元
あの神経質で繊細な感覚をよく演じ切ったと思います
あれ演じるのすげえ大変そうですよね
めちゃめちゃエネルギー使いそうで

アンソニーホプキンスもよかったですよね
自然に壊れてるっていうか、一見常人なのに、フタを開けるとやべえやつっていうか、そのバランスが絶妙だと思いました

ジェイクギレンホールは、なんだろう、特に印象深いわけじゃなかったですね笑
優しい人なんだろうなあ、ていう

姉役の方もね、人のためを思っているフリをして自分のやりたいように進めたがる身近にいたら絶対いやな人をしっかり演じていました

なのにそんなに響かなかったのはどうしてなんでしょう

時系列シャッフルも、まあ少々わかりにくいところもありましたけど、だからといってそれで大幅にマイナスされる要因にはなりません

てなると、やっぱり演出が力不足だったように思えるんです
まず1つに背景があまり見えてこないんですよね
特にアンソニーホプキンス演じる父親に関して、彼がどんな病気にかかっているのかは言及されていません
世話をしていると主人公は言いますけど、その苦労がどれほどのものだったかというのめ大して伝わって来ないんですよ
親子の話を書く上でこの要素が欠けているのはあまりにも痛いんじゃないかなと
2つ目にストーリーの盛り上がりの部分が弱いということ
主人公か父親か、どちらが証明をしたのかってことなんですけど、ええ、そういう展開になるの?ってげんなりしちゃいまして
そこに焦点を合わせるより、もっといいポイントがあったように思えてしまったんですよね
私が解いたって言ってるのに周囲の人がそれを信用しないのもあまり気持ちよくないし…まあその信頼してを取り返す話だから展開の都合上仕方がないとわかっていてもスッキリしないこの感じ
さらにその数学のすごさがぼんやりした表現になっているから、どれほどすごいものなのかも伝わってこなくてですね
核心に来ても惹きつけられなかったんですよね

主人公の再生がテーマでそれを数学を通して表すってのはアイデアですが、そのアプローチの仕方がまずかったように思えます

でもきっと主人公はこのあと徐々に再生し、自らを取り戻していくのでしょう
ざきつー

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