shimiyo1024

牝のshimiyo1024のレビュー・感想・評価

(1964年製作の映画)
4.2
ラピュタの東映現代劇特集、『東京・丸の内』はかからないのか…と残念がりつつ、チョイスした一本目だが、久しぶりに衝撃的なものに遭遇

渡辺祐介、『黒の奔流』しか観たことなかったが、filmarksアベレージからすると、今作、飛び抜けた意欲作だったのだろうと思われる

意外と類例が思い出せない、緑と菅佐原の顔が左右から交差するクローズアップ、そして野球場での緑、ジェリー藤尾、ささきいさおの川の字、緑が中村の体に腕を絡めているところなど、絶品ショット多数

終盤さすがにズームがはしゃぎすぎだが、カメラワークも良い

テレビに映る緑の顔面を前にした情事シーン、メディアアート感のある凄み

緑もまだあまり見慣れないが、今作はかつてなく印象深く刻まれた

そしてジェリー藤尾、ささきいさおの揃い踏みは凄すぎるし、かつてない、中村伸郎のキャリアに残る、大フィーチャー…
久しぶりに見た久保さんも良いし、過去に二本だけ見ていたらしい菅佐原さん、明確には思い出せないがめちゃ見覚えだけが残っている顔だ

文京区の鷺坂、郵便ポストへと向かうガード下など、よくぞという決定的ロケーション

体育会系の学生のランニング、競馬場など、わかりやすいイメージの連関もテンポ感あって良い

1964年ということで高度経済成長の象徴的に、とってつけたようにオリンピックを絡めているが、アプレゲール映画としてはこれ以上ない所まで攻めたもの

ジェリーの『何だ、オリンピック中止か?』には笑った
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