shimiyo1024

柳川のshimiyo1024のレビュー・感想・評価

柳川(2021年製作の映画)
3.6
チャン・リュル作品、『群山』に続き二本目だが、観始めてみれば、なるほどこちらは中国資本、中国キャストの純・中国映画なのかと気付かされ、朝鮮族出身監督ならではの、他に例のない芸当を認識

しかし、ますます閉鎖的になっている中国で、こんな、現代的な文脈に接続してる繊細な映画が、一応、検閲も通り、かろうじて世に出ている事実、ありがたい

しかし、船の運行、素人な中国人女性をレギュラー出演させるバー、競艇学校のシーンなど、自分の好む夢幻的なリアリティレベルを指向するにしても、作為性の強さや、比較的ベタな物語など、群山ほどには良くない

広間に鎮座する、JBLのスピーカー

中国版『三体』のドラマ、1話だけ観ていたのだが、あっ、三体の人だ!となり、驚き(チャン・ルーイー)

以下、柳川の前に観たが、filmarksデータベースに無く、とりあえずここに記載

時枝俊江『夜明けの国』 4.5

3月前半に大連・旅順・丹東の一人旅に行った流れで、タイムリーにも、国立映画アーカイブの女性映画人特集に、1966年の中国・東北地方のドキュメンタリー映画を発見

これは、期待を超えて素晴らしく、同時代に、このクオリティのものは他に残っていないだろうと思わせる奇跡的映像

劇中で取り上げられている都市だとハルビン、瀋陽、北京は行ったことあり、その歴史性や過酷な気候、環境にも触れたことあるゆえ、めちゃ感慨深かったし、文革始まった瞬間のドキュメンタリーとはいえ、まだ全然のんびりとして、悲壮感などなく(特別、礼賛的な思想で撮られ、切り取られた映画ではないと思うし)、開幕の天安門ロングショットからして感動的だったが、その実、全体主義とはいえ、画面にいっぱいの人民の笑顔や希望に満ちた表情なども見るに、文革でハチャメチャにならなければそれなりに平和にいけたのでは…などと感じてしまった
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