ヨチ

RAW〜少女のめざめ〜のヨチのレビュー・感想・評価

RAW〜少女のめざめ〜(2016年製作の映画)
4.6
問題なく問題作。もーしんどい

ベジタリアンの少女が人肉に目覚めるっていう想像できるストーリーなんだけどギャランス・マリリアの怪演がトラウマ級。
作中の赤の色使い、シーンの切り取り方が綺麗で見惚れる。

倫理的アウトな事件が多めなんだけど、
まず姉妹の通う大学が異常。
新入生は血を浴びせられる、ウサギの内臓食べさせられる、私物捨てられる。余裕で狂えるわ。

姉の体の張った事故。
本能に従い人肉を食べて生きるために事故を起こして人を食べてたんだろうけどあんな見晴らしの良い道で多発する事故、さらに運転手が食べられてたら噂になるどころか警察が捜査に乗り出すのでは…

この映画の名シーンは間違いなく指を食べる覚醒の瞬間。
指から滴る血、舐めてみて咥えて齧る。その生物らしさがあまりに生々しく美味しそうなんだ…お腹空いてる時のケンタッキーおいしいもんね

グリーンインフェルノとか人食題材の映画はフィクションとして自分と切り離して観ることが出来たけど、このシーンでは出来ずしんどかった…

娘が姉の指を切断して食べたことが判明したのにあの親のリアクションの薄さで血筋なんだと確信する。
一度人の味を知ってしまった動物は危険だ、父のセリフがこの映画の全て。

父こそ母の本性は痛い程知ってる筈、よく娘を2人も産んで獣医の学校通わせたな。共存できるよう克服しようってあまりにも無責任。

主人公ジャスティは短気で人の話は聞かずまず口から出るのは否定ばかり、しまいには抵抗してくれればよかったのに…!って自己中心人間でイライラしたけど、少女一人の人生が血筋によってぶち壊されるのはなかなかの胸糞。本能に勝てないじゃんね…

最初は人のこと美味しそうに見えることに対しての罪悪感で苦しんでるのかと思ったけど、一度人の味を知って人が食べたくて仕方ないって苦悩なんだね。
マダガスカル思い出してしもたわ
鍛えてる男性の腕の筋肉って一度食べたら忘れられないくらい旨いって言うもんね

人肉族でありながら人と共存できるかって葛藤がメインなんだと思うけどもっと母にスポットを当てて血筋の元と原因を掘り下げてくれてもよかったなぁ。

あー夜に観るんじゃなかった!面白かった!
多分もう観ない
ヨチ

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