「ロー(英題)」に投稿された感想・評価

このレビューはネタバレを含みます

フランス映画祭行ってきました

今作は前評判で食人描写もある過激なホラー映画として宣伝されていてそういう部分もあるのですが物語的には少し変則的ではありますが学生たちの通過儀礼的な青春映画だったと思います

主人公のジャスティンはベジタリアンで落ち着きがあり学業も親や先生にも神童と言われるほど優秀な彼女が獣医になるために両親の母校であり現在姉も通っている大学に入学します

彼女がベジタリアンの理由としては家庭での教育の面がかなりあるのですが心情的には獣医を目指し動物を愛する彼女にとって人間も動物も変わらないというのが主な理由だったと思います

そこでかなり手荒な新入生歓迎会に合い動物の血を浴びウサギの肝臓を生で食べさせるのですがそれがきっかけで彼女が変化していくという展開は個人的にここはキャリーを連想しました

ここで久しぶりに会った姉には冷たくされ自称ゲイのルーメイトが助けてくれたりするのですが
ジャスティンは環境の変化、姉の態度それらに触発され自分の心と体両方の変化に戸惑い
彼女は自分の本質を抑えられなくなり何にぶつけていいか分からない不安と怒りとともに食人に目覚めていくという内容だったと思います

この映画は比喩として使われることをそのまま表現したことが多く、最初にジャスティンに訪れた変化はまさに脱皮っと言うべきものだったり、好きなルームメイトの半裸を見ると鼻血が出ると言った漫画的表現から、彼女が本能に目覚めていった後の初体験はまさに動物のようなセックスでした

なのでここの食人とは思春期の混乱状態の中にある優秀な妹への嫉妬、昔と違う姉への不満や初めての恋愛による自分の心身の変化に戸惑い自分自身すら何を考えているかわからない不安やイライラなのに他人にはなんで自分のことをわかってくれないだという怒りをぶつけてしまい傷つけあうという心情表現であり一番大きい要素としては性欲のメタファだったと思います

彼女たちの行き場のない怒りとそれゆえの行動はコインロッカーベイビーズなど村上龍が書く小説のキャラクターを連想しました
それと特殊な状況だけれど普遍的な話としてムーンライトにも通じるものがあったと思います

そして彼女たちに決定的な破滅の瞬間が訪れその後でジャスティンが姉をシャワーで洗い流す所では姉妹のわだかまりを水に流し和解するという意味が強調されていて感動的でした

最後姉に合う時に傷を見せあうシーンは彼女たちが愛し合った証として例えると好きな人のために掘ったタトゥーを見せるような印象でとてもよかったです

しかしラストの父の見せるものは作中内でもなんとなくわかる作りになっていて必然的ではありますが
個人的にはこの物語は姉妹の話として完結させてほしいと思ったり、それなら最初から説明しておいてくれよや父のその姿を一度も見たことがないのはおかしいと思ったり自分の読み違いがあるのかも知れませんがちょっと余計だった気がしました


内容は重い話なのですがこの映画笑いどころが多くあり先輩たちが歌うどうしようもない下ネタソングからジャスティンがノリノリで鏡の前で踊ってる隣の部屋で姉たちがゲームをしていたりブラジリアンワックスなどかなりあり

それと音楽の使い方がかなり極端で彼女の心情の変化や状況を曲で表現する場面がすごく多くわかりやす過ぎて笑っちゃうようなシーンやわざとエモい感じを出していたりいい意味で中二病感がでてて面白かったです

画面構成もかなり独特でドキドキするけど妙な間延びがあるロングショットが入ったりシンメトリックな映像など普通映画じゃ見せないし、やらないような映像が多く少し違うのですがニコラス・ウィンディング・レフン監督の映画に近いと感じました


この映画の姉妹を演じたガランス・マリリアーとエラ・ルンプフの二人が素晴らしく
噛みつき合うケンカや立ちションなど体を張った演技だけではなく思春期特有の怒りと嫉妬にまみれた表情やそれをからかい妙に挑発的な態度だったりそして二人が分かり合えた時の表情などどれも最高でカッコいいし美しいけれどダサい所もある複雑なキャラを演じて今後の出演作も見てみたいと思わせるものでした


初の長編映画とは思えないよな独特だけれどうまいバランスで作られている映画で
話としては思春期の三角関係といった普通の内容なのですがそれを比喩的に表現するだけでなく姉妹の絆としても感動的でクロニクルのような悲しいけれど甘酸っぱい物を感じたりすごく好きな映画となりました

それとわからない部分も多くあったので日本で全国公開されたときにはもう一度劇場で見てみたいと思います
途中退出したくなる衝撃作というのは本当だった。しかし私は食い入るように、この映画に夢中になった。
テーマはカニバリズムと生と性における何か。何かをいうとネタバレに近いので言いません。マズローの欲求階層説の第一層、いわゆる生理的欲求を全て見せつけられました。食欲、性欲、睡眠欲、排泄欲...正直、2度と見たくないシーンも多々あります。あまりにも衝撃的すぎて、ふと色んなシーンを思い出してしまいます。

私がグロテスクな作品が好きなので見たわけですけど、この鑑賞者の多くもそれに近い趣向を持っていると思います。グロいシーンが好きな人なんてあまりいないし、変人扱いを受けることもあるけれど、とある本でグロいものに興味示すのは人間の欲求として正しいことと書いてありました。(理由は省略)
主人公の獣医学部に通うジュスティーヌはカニバリズム(食人)に目覚めるのですが、私もグロいものに目覚めたことと同じなんだろうなと。彼女にとって、カニバリズムに興味を示すことは自然なのです。ただそれが時代に合うかどうか、それが問題。
周りに合わない感性や考え方、趣向を持ったとき、それをどうするかという悩みを持つ人は少なからずいるでしょう。そしてそれがあまりにも非社会的であれば、何か解決策を見つけ出さなければならない。
ジュスティーヌの父親は「解決策を探して欲しい」と言った。彼女は今後どうなるか。とても気になる。


ジュスティーヌ役の女優さんがフランス女優版高橋一生くんって感じでかなり好印象!物語の重要人物、彼女のお姉さんはノージェンダーな風貌でとても惹かれた。2人の体当たりすぎる演技が素晴らしい。他にもっと出て欲しい。
やはりフランス映画の独特な雰囲気と曖昧な感じが大好き。フランス語勉強したくなる

このレビューはネタバレを含みます

獣医学校に進学した16歳のベジタリアンの少女が、学校の通過儀礼として生肉を食べる。その後彼女は〝カニバリズム〟に目覚めてしまう異色ヒューマンドラマ。ジュリア・デュクルノー監督長編デビュー作。序盤より独特の雰囲気で描かれる物語で、普通じゃない不穏さが前面に出てて良い。音楽も不穏さを高める要因になってます。カニバリズムが題材にありながらも、1人の少女の淡い成長物語、思春期独特の青春物語なのも斬新。フランス映画だが、アメリカ映画のような空気感もある作品。残酷描写やグロ描写、血液等ゴア要素もあるが、印象的に感じ、万人受けはしない映像は多々あるが、作品を際立たせる必須性があるので不可欠。面白みが増してます。主な材料の〝カニバリズム〟要素も、いつの間にか彼女の人生のごく一部であることを思い知らされる、程良い、しかししっかりインパクトを残す題材。とても丁寧に密に構成された作品に感じる。ホラーでもありサスペンスでもあり、そして恋愛ありコメディーでもある、バラエティ豊かな内容で飽きさせなく、場面場面にパンチが効いており良い。
フランス映画祭
何というか、体温が上がった。
カニバリズムと生、青春、そして性。
最後にはまさかの感動。
世界が赤く見えた。
肉食べるの3年前にヤメた
ベジタリアンが大嫌いなので 笑笑
冒頭「何肉喰えないとか言ってるんだよー」と鼻白みましたが
その後の展開で納得。
これから「動物がかわいそうだからお肉は食べられない(>_<)」なんていう人間を見たら「あー本能では生肉を貪り喰いたいのだな」と思うことにします。
大人になるにはいろんな通過儀礼があるぞという話かな
これ見た時私の蕁麻疹が頂点だったので主人公の気持よーくわかるシーンがありました。辛いのよ
少女の成長・思春期×カニバリズム。
グロの視覚的なショッキングさより内的に湧き上がる嫌悪感が勝つのがすごい。
タイトルバックと盛り上がりの音楽も良かったな〜〜〜
来年の公開が待てなくてフランス映画祭にて。

失神者続出などの情報を見てすごく衝撃的なシーンや過激なグロがあるのかな?と期待をしてしまったのですが途中からグロや人体破壊を楽しむホラーではないのだと気持ちを切り替えました。

見たいけどグロが苦手という方でも問題ないと思います。

寮生活で先輩たちにしごかれながらカニバリズムに目覚めてしまい苦悩しながらも女の子から女性へと成長する様子が友達やお姉さんや家族との関係と絡みつつしっかり描かれていてとても面白かったです。
オチもすごく好きです。

フランスでカニバリズムと言うことで日本人が犯人のパリ人肉事件が思い浮かんだのですが、犯人は好きな女性を食べたいという欲求をどう抑えてるんだろうか、今も食べたい苦悩と戦っているのだろうかと思うとRAWはすごくリアルにカニバリズムの人の心のうちを描いていたんだなと思いました。

映像と音楽ととても芸術的でかっこいいのですが笑えるシーンもあります。

アレをもぐもぐしてるシーンでつい手羽先みたいだな、と思ってしまいました。
とても美味しそうに食べていました。

監督の今後の作品にも期待します。
RAWも公開されたらまた見直したいです。
>|