ディー

浮雲のディーのレビュー・感想・評価

浮雲(1955年製作の映画)
4.0
初、成瀬巳喜男映画。
寂しさ、過去に対する哀愁、負のオーラに溢れた映画だった。

過去から逃げ出そうとする男と、過去を愛する女。
しかし過去から逃げ切れない男と、過去に囚われ未来へ生きれない女。
二人はもがき続け、迷い続けたままに結末を迎えてしまう。
この映画の先も存在しない。

なんだろう、反戦映画なのだろうか?
戦争に惑わされたとも言えるし、ただただ二人の弱さ故とも言える。
そう考えると、人間の弱さを描いているのだと思う。
その弱さを補完する為の悲劇の映画。
見終わって、何とも言えない気持ちになった。

光の使い方がとても自然で、1950年代にこれだけの映像が撮れた事にとても驚いた。
ディー

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