浮雲のたけしゃんのネタバレレビュー・内容・結末

男性目線でみるか女性目線で見るか、はたまた中立というか傍観者的に見るか悩ましい。
こんなふうに考えている時点でレビューを意識した物言いになっているのを気付いたりして。
で、面白かったかと問われれば「面白くナイ」映画でした。
男女の仲をこうも延々と描く執拗さ。そんなに色恋に力も時間もお金もかけることはないなと。
要するに「共感」できる部分が無かったのだ。
戦後の日本には現代のような多様に人生を楽しむ環境がなかったのだろう、
考えることは毎日の生活の心配と色恋沙汰だったか…。
高峰秀子の演技が素晴らしかった。出会いの時の初々しさからの娼婦へ落ちた時の変わりよう。
伊香保温泉での嫉妬に燃える表情や義兄に身を寄せたときの傲慢さ。
船中病床での心細さと屋久島での朝送り出す時の明るさ。
ステレオタイプ、ジキルとハイド、こんな２面を行ったり来たり出来るがすごい。
音楽がすごかった。メインテーマ流れるとストーリーが動くみたいな、変なメロディーだが印象的。
ストーリーで入り込めない部分があったにせよ、演技と音楽で見入るところがあり映画として「良い映画」だったと思えてなんとも不思議な気持ちです。