JIZE

廊下の彼氏のJIZEのレビュー・感想・評価

廊下の彼氏(2009年製作の映画)
3.3
同棲してる彼女に見放されフラれたにもかかわらず廊下で居座り続ける男の子(=迷惑な居候)の話。要はテニスボールを四六時中,壁に向けて投げ続けてみたり宙を見上げ空想に浸ってみたり朝食をフレークで夕食をレトルトで済ませたりと一種,虚構的な一点を見つめ魂が抜けきるジェシー・アイゼンバーグの哀れな姿が存分に堪能できる。同様にこちら側も寝転がった視点で作品を観れば尚面白い。小さな佳作。

内容は想い続けヨリを戻したい"無神経な元カレ"を描きつつ彼女視点のそれでも残る情けを描いた物語である。新恋人と元カノが寝室でSEXしてる声と廊下でテニスボールが反響する音を同時にダブらせたのは極めて皮肉に思えた。実写の短編ものとしてはピクサー作品のような特別感があり日常から地続きに配されるリアリズムに則した約16分間であった。
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