ゴーヤ

邪悪なヒーローのゴーヤのネタバレレビュー・内容・結末

邪悪なヒーロー(2015年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

まず最初に思ったのは構成の巧みさ。
アリツ視点で始まり、エスティバンによって悪いことを教えられる。それが物語の後半では逆転する。エスティバン視点に変わり、アリツがどんどんエスティバンを悪の道に引きずり込もうとする。
一応前半はアリツ視点で見ることで、アリツに同情心も出てくる。苛められっ子やし、せっかく出来た親友2人からも距離を置かれるしね。でもそれを上回るくらいヤバイやつ(サイコパス?)って感想が大きい。
もうエスティバン視点に切り替わってからホラー映画やったっけ?って思えるくらい怖い。アリツ、次は何をするんだろう?いつキレるんだろう?エスティバンも責任感強いのか、自己保身に走りすぎなのか、アリツを見捨てられないし。
この映画の登場人物は、みんな相手の事を理解しようとする気持ちが欠けている。俺が!俺が!私が!私が!と自分が理想としている形を相手に押し付けている。仲間だった時もお互いを見ているようで、焦点はずれている。
だから、ラストも切なくはあるけど、まあそうなるよねっていうオチで終わる。
心中にはならなかったのが、アリツの最後に残った一欠片の理性か友情なのかな。