ゴーヤ

THE FIRST SLAM DUNKのゴーヤのネタバレレビュー・内容・結末

THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)
1.0

このレビューはネタバレを含みます

※自分は面倒くさいこじらせたオタクです。また思いっきり酷評しています。少しでもこの映画が良かった人、スラムダンク、井上先生が好きな人、またネタバレ見たくないって人は見ないでください。
あくまで一個人の感想です。決して良かった人の気持ちを否定したい訳ではありません。

自分は原作読破(完全版、新装版は読んでません)、旧アニメは最近の期間限定YouTube配信で見ました。両方リアルタイムで追っていたわけではないです。
酷評するといっても全く良くなかったのかと言われれば、そういう訳ではないので、最初に良かったところを言います。

・予告よりもCGが気にならなかった。ぬるぬる動くし、動きもリアルでした。

・作画が井上先生の絵でした。映画だけに出てくるオリジナルキャラも井上先生だったらこう描きそう…!って思わせてくれる作画でした。

・OPの演出が神!鉛筆画で少しずつ湘北メンバーが書き足されていくのですが、ここの演出は神でした。 正直映画の中で1番興奮しました。

・試合は見たかった山王工業でした。

・ED良かったし、自分は好きでした。10-FEETさん初めましてなんですが、ロックな感じでカッコ良かったです。サブスクで結構聞いてます!

はい以上です。ここから面倒くさいオタク語りが始まります。もう一度言います。見たくない人は飛ばしてください。
何度も言いますが酷評すると言ってもあくまでも一個人の感想です。 ダメだった所と偉そうに言うつもりはありません。あくまでも個人の感想なので嫌だった所と記載していきます。

嫌だったところ
①CG
CGは良かった点でもあげたのですが、ここは自分には合はわないなって点もありました。 例えばシュート打つ溜めの止まってる時やアップになった瞬間。CG独特の血の通ってない嫌なロボット感感じました。また疲れてる割に汗の描写と表情が乏しく、あんまり疲れているように見えなかったです。
CGで1番嫌だったのは アニメ的なダンクどーん、シュートどーん的な描写がないので、淡々と試合が進みます。これ好みだと思います。私はリアルのスポーツ観戦には興味ないタイプなので、あっさりしすぎて物足りなかったです。ここは井上先生拘りのポイントみたいなので、リアルバスケットが好きな人はあのスラムダンクキャラがぬるぬる動いてる…!バスケしてる…!って感動するんじゃないでしょうか。
自分はもっとキャラクターが活躍するところは漫画やアニメらしく目立つ演出が良かったです。
あと推しの流川がたまに作画崩壊して不細工になってました笑

②声優
正直に言うと、耳栓したい!こんなの○○じゃない!って程嫌悪感はなかったです。ただ要所要所で違和感というか、あージャイアンだなあとか、後は流川が低音でぼそぼそ話しててたまに何言ってるか分からないっていうのはありました笑
自分は声質よりも演技の方が気になりました。一言でいうと「ジブリ演技」でした。ここも井上先生の拘りでナチュラルな演技を重視したそうですが、正直な所みんな声に抑揚なくて若干棒読みに聞こえました。ジブリはそれで長年売ってるから、そういうものとして割り切ってるんでいいんですが、SLAM DUNKでそれされるのはすごく違和感ありました。また予告でもほとんど話さずボイスサンプルが少なかったため、序盤は誰が話しているのか分からない問題が発生しました。湘北も山王メンバーも初めましての声優さんばかりだったので、ん?今話したの誰だ?セリフからおそらく○○!っていう問題が少々ありました。前の声優さんが声に特徴ある方ばかりだったので余計そう感じたのかもしれません。 声優に関していえば、みんなNormal~Goodって感じで、旧アニメはPERFECTって感じですかね。絶望的に合ってないメンバーも完璧に合ってるって感じるメンバーもいなかったです。前がみなさんハマり役でした。これは私が少し前まで旧アニメ配信を見ていたからかもしれません。

さてここからです。いよいよ最後。ここから長くなります。
自分が1番許せなかった所です。
③ストーリー及びキャラクターの改変
SLAM DUNKの主人公といえば誰でしょう?そうです。あの天才バスケットマン桜木花道です。しかしこの映画花道が主役ではありません。主人公はまさかの宮城リョータ! 私の推しキャラはメガネくんと流川楓なのですが、SLAM DUNKの主人公は桜木花道!ここは絶対譲れないポイントでした。勿論自分の推しキャラが活躍したら嬉しい。でもSLAM DUNKはバスケど素人で不良の花道が個性溢れる良いチームメイトや仲間に恵まれ、バスケがどんどん上達し、最終的にはバスケを愛するバスケットマンになるストーリー。また全てのキャラクターが花道あってのキャラクターだから面白かった。メガネくんもゴリと対比する花道にとって飴担当のキャラ、流川も花道が目標とするライバルキャラだから良かった。全キャラ花道がいてこそ輝いていたと感じています。それが今回の映画ではサブキャラクターだったのが残念でした。

そして肝心のストーリーは……邦画特有のお涙頂戴ストーリーfeat.リアルバスケット映画でした。鑑賞しながら、あれ?この映画のタイトルSLAM DUNKで合ってたっけ?って何度も思いました笑

ストーリーの肝となるのはりょーちんの家族の話です。これがまた既視感バリバリのチープなお涙頂戴ストーリーなんですよ。自分は原作通り少年漫画みたいなワクワクするストーリーだと思ってました。が、蓋を開けてみたら、これ感動系のホームドラマ。しかもよく見る展開のお涙頂戴話…りょーちんの家族(お父さんとお兄ちゃん)が冒頭10分くらいで亡くなってる…え!ストーリー重っ…!しかもりょーちんの母親ちょっと毒親寄り。息子(りょーちん)にお兄ちゃんじゃなくて俺が生きててごめんなさい(※ニュアンスこんな感じでした)って手紙に書こうと思わせる時点で旦那・長男が亡くなって心に深い傷を追ってたとしても母親失格。しかも映画の描写的にはりょーちんが母親に気遣って、母親からの歩み寄りほぼ無し。 そしてバスケが上手くて頼りになるお兄ちゃんだったらしく、亡くなったお兄ちゃんと比べられるシーンが結構あります。近所の人、母親(母親は実際比べてるか分からなかったが、上記のシーンがあるのでおそらく比べてたっぽい)りょーちん周りの大人みんなクソ。正直自分が最も苦手とするストーリーでした。大人が子供に気遣せてんじゃねーよ!そのせいか原作の「アヤちゃん♡」ってアヤちゃんにメロメロないぶし銀入ってる面倒見のいいクールだけど根っこは熱いりょーちんはこの映画ではいません。ミッチーが体育館襲撃した時に「いちばん過去にこだわってたのはあんただろ」ってカッコ良く言うりょーちんはいません。 過去にとらわれたセンチメンタルすかしたチャラ男(NOT LOVEアヤちゃん)これが今回の映画のりょーちんです。
…といっても2時間ずっとりょーちん家族再生物語を見せ続けられたわけではなく、りょーちんの回想の合間に山能工業との試合が入ります。 試合シーンで盛り上がってる…!と思ったら、くらーい過去話、このシーンアニメで見たかったやつだ…!と思ったら、じめじめくらーい過去話。そのせいで試合のテンポも悪かったです。合間じゃなくて、それなら前半はりょーちん過去話、後半はがっつり試合とかでも良かったんじゃないのかな? まあそれ以前に過去話なげーよっていうのが一番正直な感想です。そのせいで他のメンバーのエピソードもがっつり削られてます。名シーンが薄くなってるし(個人的にスラムダンクはそこに至るまでの過程あっての名シーンだと思ってるので、名シーンだけ見せられても…って感じでした)、その過程を描けないから改悪されてるシーンもありました。
沢山ありますが、以下抜粋して書きます。
~ゴリ編~
・魚住まさかの排除!
赤木が河田兄にけちょんけちょんにされるシーンはあります。が、魚住がいないので赤木の脳内で昔嫌味言われてた先輩がデフォルメされて出てきます。天使と悪魔が戦ってるみたいな感じ(もう諦めちまえよとか言われてた気がします)でも湘北の仲間を思い出して赤木復活!!て展開。
「河田は鯛、赤木は鰈。泥にまみれろよ」って魚住が赤木を鼓舞するシーン全カットです泣

~ミッチー編~
これはカットではなく、新規に書き下ろされたシーン。実はミッチーとりょうちん過去出会ってました笑
やさぐれたりょうちんが一人寂しく外でバスケしている時、謎の学生が乱入してきます。そして「みんなで練習したらもっと上手くなるのに」的なこと言って、3Pシュート決めバスケットボールをりょうちんに渡します。その面影を亡くなったお兄ちゃんと重ねるりょうちん…そう、この学生がミッチーです笑 しかしそこから時間が飛んで次二人が会うときはバスケ辞めてやさぐれたミッチーになってます笑
何故か一方的にミッチー軍団に絡まれ、屋上でボコボコにされるりょうちん。
そこでもしかして、バスケを続けているりょうちんとバスケを辞めたミッチー=(バスケを続けられなかったお兄ちゃん)という風に対比するのかなと思ったら、普通にボコボコにされて終わりました笑
あ、でもミッチー軍団にボコボコにされて入院が、りょうちん自暴自棄になりバイク事故で入院っていう謎の改変はありました笑
兄に面影重ねるシーンはマジでなんだったんですかね?…井上先生のファンサービス?

~推しの流川~
流川は前半空気です笑 正直後半出てくるまで流川いた事忘れてました笑
後半急に沢北に「日本一の高校生になりたいんだろ?」って言われます。しかし、この映画先程述べた通り魚住出てきません。という事は仙道も当然出てきません!なので、「沢北じゃねーかどあほう」っていう名台詞、名エピソードもカットです。沢北にけちょんけちょんにやられた後、勝手にパスし出します。
流川に限らずですが、山王の掘り下げの為か結構みんなけちょんけちょんにやられます。(活躍シーン少ないのに…)なので描写不足も相まって、今まで止められてたのにむしろなんでもっと早くパス出さなかったんだよ!ってあの映画だけ見た人なら思うでしょう。メガネくんが「いけ!エース!」みたいなこと言ってましたが、エース感0でした笑 1回目の沢北抜いたシーンもカットだし、流川が活躍したのは2回目沢北抜いたシーン、その次の3Pくらいです。アメリカ留学の話も一切出てきません。ゴリやミッチー、まあ花道も原作の過去エピソードがあったんですが、流川だけりょーちんと今まで話したこと無かったっていう謎過去エピソードです笑
あれ?豊玉戦で流川、目を負傷した為、りょうちんに強いパス取りづらいんでワンバウンドさせてくださいって頼むシーンは?そんな流川を気遣って「大丈夫か?」って優しい声掛けるりょうちんは?
花道と1ON1対決した後、「流川情けをかけたりは?」「まさか」っていうシーンは?
これらのシーンは映画では描かれていなかった為、花道が試合中背中を痛めた時「必死でついてこい、交代しねーならよ」⇒「ついてこれねーなら、交代しろ」にセリフ改変があります笑
これ流川が花道を認めてるってシーンあるからこそ言えるセリフであって、それなかったらただの嫌な奴だよなーって感じました笑

花道も何かあったと思うのですが、例えば晴子さんに「大好きです、今度は嘘じゃないです」って言うシーンがカットとか。でも主役じゃなくなったっていうのが1番ショックでした。

見た人みんながOPと共に良かったとあげられる、試合ラスト数十秒~花道流川のハイタッチシーンまでの流れも自分はそこまで感動できませんでした。
画面がモノクロになって無音で、緊張感あるとても良い演出だったんです。 ただ!それまでが中弛みしすぎた&映画の中で花道と流川のライバル関係は全く描かれていないので、初見の人は主役(りょーちん)差し置いて大した関わりもないこの2人がなんでハイタッチしてるの?しかも神演出で?ってなったと思います。
緊迫した雰囲気も試合の描写がカットしまくりだったので、(前半ほぼカットだし、山王工業側の掘り下げもほぼないので強敵感なかった)魅力半減でした。

自分がストーリーで1番許せなかったのがラストシーンです。
ラスト、沢北がアメリカでバスケしてて、インタビュー受けてるシーンがあるんですよ。その時に「僕はアメリカでは体格が良い方ではないので今後PGも視野に入れています(ニュアンス)」的なセリフ言ってるんです。で、いざ試合ってなって対戦相手を見ると、真ん中にいる流川…!ではなく桜木…!でもなく、りょーちん!!!!!!!!りょーちん、背番号7番じゃん!バスケ続けてるんだね!お兄さんの夢を引継いで叶えたんだね!良かった!………ってならねーよ!!!!なんで?なんでりょーちん?いや、りょーちんは好きなんですよ。りょーちんがいないと山王工業どころかほかのチームにも勝てなかったと思います。でも!でも!日本一の高校生どころか、神奈川一の高校生すら怪しいりょーちんがNBA!?!?(NBAかは分かりません。アメリカでバスケしてる描写だけです。)安西先生なんで止めなかったんですか?(だから谷沢くんのエピソード全カットしたのかな?) 身長188センチの沢北(パンフレットでは186センチでした笑 2センチ縮んでた笑)でも自分小さいんでって自覚あるのに、168センチのりょーちんが通用するのか?あれかな?最後らへんお母さんと話してるところで、「りょーた身長伸びた?」「短期間でそんな伸びるかよ」って言ってたあれが伏線だったんですか?!あれから30センチオーバー身長伸びたんですか!?!?「ドリブルこそチビの生きる道なんだよ」ってセリフは言えないくらい伸びたんですか!?…すみません、取り乱しました。それくらい大大大ショックなシーンだったんです。(だから、流川の「今日ここでお前を倒してアメリカに行く」って沢北に言うセリフカットだったんだ…

正直りょーちんって湘北の中で1番アメリカから遠いメンバーだと思ってたんですよ!
・ゴリ→深体大の推薦が取り消されたとはいえ、大学バスケ強豪校に勧誘される実力者
・ミッチー→中学MVP。冬の選抜までバスケ続けて大学のスカウト狙う気満々
・流川→全日本ジュニア選抜。原作でも安西先生にアメリカ留学の打診してた。
・花道→そんな流川を見て、自分もアメリカに行きたいと思っていた。身体能力お化け。
正直この4人なら誰でも納得出来ました。
でも、原作ラストで新しい湘北のキャプテンとして冬の選抜頑張ろうって意気込んでたりょーちんが何故…?しかも沢北のマッチアップ相手…原作で沢北のライバルとして描かれてた流川の立場は…?
今回の映画のりょーちん、他にも湘北メンバーのアイデンティティ奪ってます。 お兄さんが生きてた時、バスケット雑誌をりょーちんと一緒に読んでたんですよ。で、表紙に描かれた山王工業の選手見て、いつか山王工業に勝つぞ!っていう良いシーンがあるんです…ただあれ?これどこかで見たことあるぞ、と…ゴリ!!!! これゴリとメガネくんとミッチーの泣けるシーンじゃん!!!ゴリが小学生の時初めて買ったバスケット雑誌の表紙が山王工業。それをずっと覚えてて、いつか山王と決勝で戦うって夢見てたんだよね。で、メガネくんが「今まで残ったメンバーは本気で全国制覇を目指したメンバーだぜ」って言って、そして、高一の時のゴリ、メガネくん、ミッチーがいてっていう号泣シーンなんですよ。井上先生、りょーちん設定盛り込みすぎじゃないですかね……今流行りのなろう系になっちゃってるじゃん。リアル追求した割にはそこはファンタジー…

自分はストーリー重視でスラムダンク見てたんで、今回の映画は矛盾が発生して、正直複雑な気持ちです。 井上先生が自分が書いた漫画を忘れるわけない(と思いたい)ので、パラレルワールド的な話なのかな? だったら、中途半端に山王工業戦入れずに「宮城リョータ物語~同時上映 山王工業戦~」ってくらい分けて欲しかったな。 原作のりょーちん見てると、ありえない行動、言動だらけなんだよね。後ストーリーはりょーちん主役なんだけど、山王工業戦ではりょーちん目立った活躍シーンそこまでないから、花道ばっかり活躍してて、どっちが主役なん!?ってなりました。 中途半端にごちゃ混ぜにするくらいなら、いっその事IH後に沖縄に戻りました。沖縄代表として、湘北メンバー(ヤス、流川、花道など)と戦いますとかの方が面白かったかも。

私はSLAM DUNKを知ってるからこそ、評価は低めです。 知らない人が見たら、☆2~4くらいじゃないかな?(自分はもし知らなかったとしても毒親+チープなお涙頂戴ストーリーが嫌いなので、それでも☆2ですが) 最初に主人公は宮城リョータっていうのと、あらすじを最初に言っといて欲しかった、それにつきます。 少年漫画SLAM DUNKを期待して見に行ったからこそ、余計に辛かったです。開始30分くらいで早く帰りたいなーって思っちゃいました。 もしSECONDがあるなら、今度は最初にあらすじと誰が主役なのかを先に言っといてください。それを見てから考えます。

・映画が上映なるギリギリまで旧アニメを期間限定配信→正直同じ声優だと思ってました。発表ここまで引っ張るのはオリジナルキャストです!ってサプライズだからだと。声優全入れ替わり新キャストと判明した時、買ってたムビチケどうしよう?って考えたんですが、声優発表の1日前がキャンセル出来るギリギリの日だったらしく、結果杞憂でした笑
・SLAM DUNKジャンプを購入→映画をより楽しむためにエピソードを厳選したって書いてたんで購入しました。ほとんどが花道が活躍する話+「バスケがしたいです」ミッチー話&推しのメガネくんが陵南戦で3pシュートを決める話(一番好きなエピソード)でした。なのでストーリーはやっぱり主人公桜木花道メインになるのかな?と思いきや、まさかのりょーちん主役!!(ミッチーが体育館襲撃する話もないです)

運営さん今度はこんな風な騙し討ちは止めてくださいね。

色々述べましたが、私はSLAM DUNKがこれからもずっと大好きです(井上先生はちょっと嫌いになりました笑)