umihayato

もずのumihayatoのレビュー・感想・評価

もず(1961年製作の映画)
5.0
まず飲み屋の構造が最高
あの階段たまらない

抜けてる音羽信子がかわいい

長い間離れてながらも
母と娘は立派に同族嫌悪して
「ドライに行こう!」
と言って別れたのに二人して泣いて
「我ながらウェットで嫌んなっちゃう」
というかわいらしさだが

「親子だから」
という枷だけで一緒に暮らし始めても
15年切れてた関係で理解し合えるはずがなく

お互い心配や不安で口喧嘩は絶えず、ノイローゼ気味に頑張る母は疲弊していき、ドライな娘は自分の願望に突き進む
親がなくとも子は育つとはよく言ったもんだなと。

「親子だから」
「家族だから」
蔑ろにしても依存しても枷になる難しさ

ラストはちょっとう〜んな感じ
母が死んでから通帳が発見され
「私のために。。。」と娘が涙する「愛」みたいな〆はかなり多くの映画で見るが、僕は
「いや生きてる時からちゃんと見せて色々と話し合えや。」
と思わずにはいられない。
戦後の話だから考え方が今とは大分違うと思うが
「裏でちゃんと考えてた」みたいなことを
体裁・風情として良しとされてしまうと
それまでの「泣いて喧嘩して苦しんで」みたいなものがなんだったのか。
もうちょっと避けられたのでは?
と思ってしまう。
親が子供のこと考えてると同時に
子供だって親のこと考えてるんだから
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