「マーティ、結果を恐れてはいけない。
大切なのは、自分の意思だよ。
未来は自分自身で作るものだ。
こんな写真に未来は決めさせん。」
一作目二作目が大ヒットしての堂々第三作!
本当に文句のつけようがないほど面白いですな!
あなた軽々しくイーストウッドを名乗るんじゃないよ!
思えばこのシリーズは、時代を行き来する面白さを表現しながら、同時に他の映画作品の「ジャンル」を旅する愉しさも描いている気がする。
知らない世界に踏み込んでしまった!という物語上の必然から、王道映画のジャンルを俯瞰的に並べて探検する楽しみがあると思った。
それで今回は西部劇。
ガチな西部劇を観ても、あらゆるものに驚いてる現代っ子などいないが、本シリーズのようなノリであれば、観客はマーティと一緒に知らない世界を旅できる。
こりゃあ面白いに決まってるでしょうよ。
それから、一作目の焼き直しすら今や様式美の域に達しているが、しかしただの繰り返しにならず、三作ともが全く別の面白さを追求している点にも注目したい。
一作目は、過去に戻ったが帰ってこれない展開で引き込みながら、より良い未来の為に一歩を踏み出す勇気を与えてくれた。
二作目は、未来や過去を行き来するハチャメチャ感を楽しませながら、一作目とはある意味逆ベクトルで、時間を操ることの危険性を示唆し、軽率な行動を戒めるような内容になっていた。
そして本作には、ひょんなことから西部開拓期に飛んでしまったドクを助け出すという壮大な作戦で話を盛り上げながら、本来「白紙」であるはずの未来は、常に自分達で創り上げるものなのだという力強いメッセージがあった。
この辺りが、「売れたから似たようなことを繰り返しすだけの続編」にはなっていない所以ではないか。
ギャグに関しては天丼系の繰り返しをやりながらも、本質はそれぞれ違った方向を向いており、どれを観ても新鮮だし、どのアクションも被ることなく楽しめる。
タイムスリップして早々デロリアンのアレがアレしちゃったぁ、というアクシデントから繋がる展開も、キッカケこそちょっとアレな感じもしなくないが、やっぱり引き込み力が凄いですな。
マーティとドクが何か企んでアレコレやっている姿にはとにかくワクワクさせられる。
三作観るだけでシリーズファンになる不思議な魅力がそこにある。
次は何を作るんだろう?
ドクは何を思いつくんだろう?
想像力と創造性に満ちたストーリーにただただ夢中になってしまう。
事実、本シリーズが「未来」としていた2015年を過ぎた今でも、王道映画として語り継がれ愛されているのだから、この作品が描いた時代は失われてもこの作品が伝えようとした事はいつまででも残るに違いないだろうし、どの時代の人が観ても勇気をもらえるだろう。
未来は常に白紙なのだ。
過去の間違いを消すとかそういうんじゃなく、より良い未来を創る為に考え、工夫し、夢を追いかけよう。
そういうアツいメッセージを託された作品がめちゃくちゃ面白いんだから、こりゃあ観るっきゃないでしょうよ。
映画好きも、映画好きでなくとも必見の映画!
三作目の最後の最後まで本当に楽しかったっす!
観なかったら、コトだぞ…!!