ヤマタノオロチ

銀魂のヤマタノオロチのレビュー・感想・評価

銀魂(2017年製作の映画)
4.0
ワーナー・ブラザースのロゴを2回出した地点で既に及第点


2017年公開当時「邦画の実写化=原作・アニメ版殺し」という風潮があり、正直期待しいませんでした。が、劇場で見事に裏切ってくれたのがこの作品です。

そもそもこの作品は銀魂のアニメエピソードを劇場版にした『劇場版 銀魂 新訳紅桜篇』の実写化であり、アニメ版ファンからすると3番煎になります。ですが、それでも楽しめる。実写化によくあるオジリナルエピソードは殆ど無く、「ありのままを実写化した」と言っても過言ではありません。どの俳優も基本的にキャラにハマっており、特に安田顕演じる村田鉄矢に関しては二次元の世界からそのまま三次元に来たんじゃないかと思える程の出来栄えでした。実写化史上おける神演技と言えます。

構成に関してもアニメ版同様にギャグパート→マジパートの二段構成で作られており、「WBロゴ→茶番→仕切り直しのWBロゴ」という所まで再現されていました。その地点で私は嬉しかったです。


ケチを付けるとするなら、福田雄一お抱えの俳優達と余計なパロディ、それとショボいCGでしょう。武市変平太はただの佐藤二朗ですし、平賀源外もただのムロツヨシです。また、パロディ部分も銀魂というよりは勇者ヨシヒコに近いノリでした。俳優に金をかけた性か、定春、岡田似蔵の機械部などCGが2000年代前半の香港映画のクオリティです。(チャウ・シンチー作「ミラクル7号」と同レベル)


【初見でも楽しめるのか?】
銀魂特有のストーリーぶった切りを利用し、序盤で主要人物を解説する時間も取ってくれます。途中でテロップが入ったり、「お前は〇〇の△△だな」とセリフでも説明してくれます。なので、予備知識が無くても楽しめます。

総評としては、監督・俳優・スタッフ等これほど適材適所にできた邦画は中々ありません。多少の不満点や原作との違いはありますが、それらをカバーしてくれるぐらいの出来栄えとなってます。

※ただし「福田雄一の作風はどうしても無理」って方は、観ない事をおすすめします。
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