カント

ぼくと魔法の言葉たちのカントのレビュー・感想・評価

ぼくと魔法の言葉たち(2016年製作の映画)
3.9
自閉症ドキュメント💡
先に毒づいた皮肉を2つ😅
①NY・ジャーナルのジャーナリスト、父親ロンの一番のヒット記事は息子ネタ。取材費用0$で良い稼ぎになりました✨
②版権の厳しいディズニーが全面協力!自閉症の子を抱える子には「ディズニー」と言う薬が効きますよ😌

▼3歳で言葉を無くした少年オーウェン君(現在23歳)の奇跡の軌跡。
幼少のオーウェン君には周りの声がノイズに聞こえる。医者は二度と言葉が戻らない可能性も示唆。
ディズニー映画「リトル・マーメイド」のディセンダントのセリフ『ジューサーボース』(ジャスト・ユア・ボイス:声を戻せ)と言葉を発したオーウェン君だがオウム返しの様な反響言語だと医者は判断した。
父ロンがイアーゴ(オウムのキャラクター)になりきって話し掛けると、ディズニーの劇中のセリフで答えるオーウェン君。彼はディズニー映画の物語をベースに、思考して会話する事が出来るようになる。

▼大人になって発達障害の学校で『ディズニー・クラブ』を主催するオーウェン君。本物のイアーゴ役の声優ギルバート氏の【ご本人登場】は何とも嬉しいサプライズ!

オーウェン君の兄の「覚悟」が現実的で生々しい。兄曰く親の亡き後、オーウェンを面倒見るのは自分しか居ない。23歳となったオーウェン君の自立への道。恋と失恋。日々の不安。

▼私も自閉症の幾人かの人と関わってきて……一番、深刻だったのはセックスで、つい中出ししてしまう子。
養護学校で知り合った彼女とセックスに夢中になりすぎて彼女の「声」も近所中に響きました💦
恐ろしかったのは、彼女と別れた後。心配した彼女の親が無理矢理に分かれさせようと自宅に軟禁しました。半狂乱の彼を見るのは辛かった。

▼ディズニー映画はオーウェン君に限らず、発達障害の子の親の頼もしい味方です。でも繰り返し100回も見続けられると親は、半ばノイローゼ気味になったりします。
私の「美女と野獣」(アニメ版)のfillmarksレビューは、そんな母親の為に別の視点で書いたレビュー。
手前味噌ですが…私のレビューは基本、独り言だけど、たまに一人の人に宛ててレビューしています。

父ロンのオーウェン君に望む事が素晴らしい。曰く「失敗と挫折を味わって欲しい。そしてそれを乗り越えて欲しい」と。
およそ人の親ならば挫折なんて子供に味わせなくない物だけど、両親が居なくなった後の喪失感を乗り越える術を望む、父の姿勢に感銘✨
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