すとんこ

聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディアのすとんこのレビュー・感想・評価

3.5
医師家族に忍び寄る一人の不穏な雰囲気を醸し出す少年。彼の目的とは?って話☆

全編居心地の悪さに支配され、鑑賞後も嫌な不快感しか残らない胸クソ作品。

最初、一見親子のように医師の男と少年の親密な関係が描写され、すぐに血縁関係ではないことが判明し、良くない関係なのかと思わされますが、それも即否定される。はて、この二人の関係や如何に…徐々に見えてくる少年のバックボーン、そして医師自身の過去の所業と人間性。

自分の生命がもうすぐ終わりを迎えるかもしれない、そしてその回避手段を他者が持っているとき、人はどのよう思考し行動するのか?本作ではほとんどギャグのようにそれらを露悪的に描きます(家族の豹変する態度や、誰にしようかなルーレットなど意外と笑えるシーンの数々)。

また、本作のタイトル『聖なる鹿殺し』とは、トロイア戦争でのエピソードに由来するそうです。映画観終わったときにちょっとポカンとしてしまったので、少し調べました。そして思いました、この映画作った人性格悪いなと。その後ちょっとだけ顔がニヤケました。どうやらわたくしも性格悪いようです。

この作品を「面白いよ」と人に推めることは無いでしょうが、自分の心の中では密かに持っておきたい一本(^_^)☆
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