にんじんしりしり

ナラタージュのにんじんしりしりのレビュー・感想・評価

ナラタージュ(2017年製作の映画)
3.3
後半の途中まで葉山先生のこと、思わせぶりでずるいダメ男だと思ってた。たかが風邪で家に上がりこんでお粥食べさせるなと思ったし、卒業式のあとに泉にしたことも正直むかついた。でも、最後の交わりが村上春樹の小説によく出てくる毛づくろいみたいなセックスで、恋とか好きとか倫理観とか抜きにして2人の気持ちに区切りをつけるための不可欠な行為だったんだと納得した。そこにはただ純粋な、信頼と感謝と温かさがあるように見えた。爽やかで強くて優しい別れの抱擁みたいな位置づけ。
互いを必要とし合い、崩れそうなときに手を差し伸べ合った。出会うべくして出会った2人なんだね。