ひろ

22年目の告白 私が殺人犯ですのひろのレビュー・感想・評価

3.5
 まぁた藤原竜也がやべぇ役やってんなと気になっていたもののなかなか見る機会がないままだったものを先日ようやく鑑賞。
 初見の感想としては最初から最後まで「狂気」に満ちている作品だった。

 どうやら元ネタは韓国映画の『殺人の告白』らしいのだが如何せん自分は韓国映画をほとんど見ないので元ネタを知らないまま見た。
『殺人の告白』は結構アクション盛り盛りらしいのだけど、本作はサスペンスに振り切って製作されたようで、正直邦画でアクションと言われてもあまり期待できないのでそこはとても良かったと思う。


 伏線は初っ端からしっかりと散りばめられている感じだ。そして我々は鑑賞中にずっと違和感のようなものを覚えながらストーリーを追うことになっていた、それは犯人を名乗る曽根崎の態度、目的であったり、はたまたストーリーには直接関係ない部分であったり・・・
 その違和感を抱えたまま終盤へと突入していくと最後にすべてのピースが頭の中で組み立てられていってカチッとはまった瞬間に「そういうことか!!」と真相が見えてくるようになっているというとても丁寧なつくりだなと感じた。「なーんか気になるな」と感じていたものがピタッとはまっていくのは気持ちよかった。
 それに2時間弱の尺の中で常に緊張感が漂っていてピリピリしているのだけどこの映画を見るうえではその緊張を大事にしたいと感じた。
 


 演出面で見ると現在と22年前の話が入り乱れるようなシーンが多いのだが、それらが混同しないように22年前の映像は若干荒いノイズのようなものが入っていたりして直感的に今どの時間軸にいるのかがわかるようになっていてこれも見やすかった。ていうか22年前の事件の犯人が藤原竜也って若すぎるだろ、キャスティングミスかよなんて思っていたのだけども、安心してほしい、ちゃーんとそれも演出の一つだから。



 そしてこの映画で一番注目すべきはなんといっても曽根崎を演じた藤原竜也だろう。もう曽根崎登場シーンからぶっ飛ばしてやりたいぐらいムカつく演技をかましてるし、ほんとこういう役やらせたら天下一だななどと思っていたけど、本作で藤原竜也ほんとにスゲーと思わされるのは後半になってからだった。ぜひ彼がどんな演技をするのか注目していただきたい。
 それ以外でも22年前と現在の牧村刑事を演じてそのどちらにも違和感のない伊藤英明もさすがだし、登場シーンこそ少ないものの強烈なインパクトを残した岸晴美役の夏帆もすげぇなぁと思えるので役者の皆さんの鬼気迫る演技もぜひ楽しんでみてはいかがだろうか。
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