まーぼ

充たされた生活のまーぼのレビュー・感想・評価

充たされた生活(1962年製作の映画)
4.0
有馬稲子がとにかく素晴らしい。「東京暮色」「彼岸花」でも虜になったが、それらにおける彼女が小津監督に作り込まれた女優作品であったのに対して、今作の彼女はまるで普通にそこに居るかのような自然な存在感に満ちていた。
おそらく生活を送る上で身につけるほぼ全ての類いの服装で入れ替わりスクリーンに現れる様は、あたかも彼女の写真集をめくっているかのようだ。(水着姿もあるのでなおさら)
全編通して憂い表情のオンパレードで、こんなに憂いが魅力的な女優さんは珍しい。後の関根恵子や斉藤由貴がこの系譜だろうか。今の女優さんでは見当たらない。この憂いを植え付けられたからこそのラストの明るい笑みの破壊力。いいの食らった。
(ラピュタ阿佐ヶ谷)
まーぼ

まーぼ