あかペン先生

サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~のあかペン先生のレビュー・感想・評価

4.0
字幕鑑賞。
2021年94本目。

突然聴力を失ってしまったドラマーの物語。
タイトルにあるメタル要素は皆無なので鑑賞される方はそこだけご注意を。

聴覚を次第に失っていく過程がリアルだがとても残酷。
序盤のずっと水の中にいるようなこもった音の聞こえ方は、自分も聴覚を失ったかのような疑似体験をしてるかのような錯覚を覚えました。

聴力を取り戻すため手術をするも、思っていたものとはかけ離れたノイズのかかった耳鳴り音のような響き。

特に見ていて堪えたのが、主人公の彼女と彼女の父親が歌う場面。
聴力が正常で有ればとても綺麗な音に聞こえるが、彼の耳にはTVの砂嵐が流れてるような音の伝わり方。

失ってしまったものがどれだけ尊いものであったか、そして藁をもすがる思いで手に入れた“音“が求めていたものとは全く違っていたという残酷な結果。

邦題にもある【聞こえるということ】がとても深く突き刺さった。

【私にとってはその静寂こそ心の平穏を得られる場所だ】by ジョー
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