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サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~のeigadaysのレビュー・感想・評価

3.5
実にセンスのいい、教育的示唆に富んだ映画。

ただ、強烈なキーヴィジュアルの所為で、ヘビーメタルバンドのドラマーの半生の話と誤解されているフシがあります。

オリジナル版のキャッチコピーは「人生はノイズだ」と映画の内容を逆手にとっているのが効果的です。

原題も「金属的な音」と訳すのが適当でしょう。

パンクバンドのボーカル・ルー(オリヴィア・クーク)とドラマーの主人公ルーベン(リズ・アーミッド)のラブストーリーが映画の入り口で全く予想外の出口で映画は終わります。

本作が描き出すのは、聴覚を失うということがどういうことかを健常者に知ってもらうことにあるのだと思います。特に映画音響の演出設計がそのように組まれています。ですから副題をつけるなら〜聞こえないということ〜ですね。

その演出の目的は見事に果たし得たと思います。映画を見ている間中、もし耳が聞こえなくなったら、ああいうふうになるのかという驚きでいっぱいでした。
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