カフェオレ

サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~のカフェオレのレビュー・感想・評価

4.4
タイトルからしてメタルバンドのドラマーの話かと思いきや、そっちのメタルではなく「鋼」のメタル。

ある日突然耳が聞こえなくなったらどうなるか?とたまに考えてしまうのだけど、まさにその耳が聞こえなくなったら?を疑似体験させられるような映画。
自分はルーベンのように音楽活動をしているわけではないけど、人並み以上に音楽聴くことが好きでそれを大きな生き甲斐にしているし、難聴になって不安や絶望に襲われているルーベンを見ていて胸が苦しくなった。

ルーベンのように難聴になることはなくても、人間誰しも生きていれば不幸や災難に見舞われることがあると思うし、「どれだけ自分の運命を受け入れてそれに真摯に向き合うことができるか」みたいなテーマを感じた。
ラストの話の落としどころとしては決してハッピーな結末ではないのに後味が悪くないと感じたのは、ルーベンの表情がどこか運命を受け入れたように見えたからだと思う。

それにしてもリズ・アーメッドの演技がとても良い。アカデミー賞主演男優賞、受賞できなかったものの納得のノミネートという感じだった。