ブラックユーモアホフマン

サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~のブラックユーモアホフマンのレビュー・感想・評価

4.1
実景ショットに感動した。
葉が風にそよぐ音しかしないような静かなカットが多く挿入されていて、それが映画のトーンを決めていると思った。

メタルが題材なのでもっとうるさい映画なのかと思っていたけど、すごく静かな映画だった。むしろ僕はもっとうるさくてもいいと思った。うるささと静けさの対比がもっと極端に描かれても良かったんじなないかと。うるさいシーンは案外、序盤だけだったので。

クロエ・ジャオ『ザ・ライダー』を想起。人生をかけてきたことがあった若い男。しかしそのやり過ぎで身体に致命的な不調をきたし続けられなくなってしまう。それだけがやりたいのにそれだけができないもどかしさ。

プロデュースと原案的なクレジットでデレク・シアンフランスが参加してる。確かにこのリズ・アーメッドのルックスは『プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命』のライアン・ゴズリングっぽい。金髪とタトゥー。
と思ったら、このダリウス・マーダー監督がその『プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命』の脚本に参加してたのか。なるほど。

【一番好きなシーン】
オリヴィア・クックが父の元に帰る選択をし、車で去っていくシーン。撮影がすごくいい。