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荒野にてのlaikaのレビュー・感想・評価

荒野にて(2017年製作の映画)
4.5
辛い映画である。何を描きたいのか?何度も席を立とうと思う。幼いゆえの浅はかさ。真っ直ぐなゆえの愚かさ。子供でも大人でもない。どうしようもない状況の中で、藁のひと摑みのような救いがある。それでも、それもいつかはなくなる。それまでに準備を整えておかなければならない。荒野の孤独よりも街中の孤独が怖い。
リーンオンピート。チャーリーはピートに語りかけるが、それはモノローグである。ピートとの繋がりは実は重要ではないのかもしれない。ラスカルとスターリング、パトラッシュとネロのそれではない。
家族の写真、陽光の中の子供の歓声、他人の家に忍び込み、洗濯機を使う彼の心はそこにはない。ラストのチャーリー、自分の来た道を振り返るのは余裕であったら嬉しい。
いつか感じた孤独、そのような物を抱えていた頃の観客に手を差し伸べてくれた。そんな映画だったのかもしれない。
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