ひろ

マグダラのマリアのひろのネタバレレビュー・内容・結末

マグダラのマリア(2018年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

きっと事実はこうだったに違いないと思えるようなストーリーだった。マグダラのマリアはどの福音書にも名前が記載されていて、ペトロと並ぶほどの指導者だったという説がある。それがそのまま素晴らしい映画になっている。「娼婦というのは誤解」とエンディングのテロップにも。主演のルーニー・マーラ、佇まいや表情で慈悲と強さを表していて、存在感のあるマリアだった。と思ったら「ゴーストストーリー」の人と知り、なるほどと。ユダの描き方も、ストンと腑に落ちるものだった。男性社会でマリアがどのように排除されていったかが、今にも通じるリアルさで描かれた作品だった。

2022/08/14 2回目鑑賞
初見時はストーリーに注意がいってたけど、今回はルーニー・マーラの演技に圧倒!男の従属物でしかなかった女の苦しみを湛え、何ぴとも決して折ることができない強い芯を秘めたマリア。神秘的な美しさと強烈な強さを無言で演じていて素晴らしかった。 ホアキン・フェニックスは、ジョーカーのような究極の悪と、今回のような究極の愛を演じるなんてどれだけ懐が深いんだ。マリアを娼婦に仕立てあげるような男達の愚かさによって、歴史は作られてきたんだと考えさせられる。
冒頭のマリアが、難産に苦しむ女性に寄り添って励ますシーンは、女性には差別に加え、命の危険のある出産という負担も課せられていることの描写か。彼女に寄り添い、苦痛を和らげようとじっと目を見つめるシーンは、十字架上で死に瀕しているイエスの目をじっと見つめるシーンと重なっていて胸に迫ってくる。
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