Nana

あゝ、荒野 前篇のNanaのレビュー・感想・評価

あゝ、荒野 前篇(2017年製作の映画)
4.2
『あゝ、荒野』試写で前後編一気見。足が震えた。生きることを腹括った人間は強い。日本が抱える問題を描きながらも、テーマ性だけに頼らず登場人物をきちんと動かしていて無駄のない作品だった。新宿を舞台にしたグランドホテル形式、交差する人々の熱量が凄まじい。心を持っていかれる。
ヤン・イクチュンの繊細すぎる芝居は本当に綿密で細部まで美しかった。叫び声のひとつとってもエネルギーが違う。そして画面内にいないところでも芝居が続いていることが音でわかる。画面にない物の音がする、そしてカット変わって物が出てくる。かなり小さな音なのにこれを仕込む細やかさ。
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