小林

あゝ、荒野 前篇の小林のレビュー・感想・評価

あゝ、荒野 前篇(2017年製作の映画)
4.5
2017/10/29 77本目 新宿ピカデリー

159分ある。長い。しかし体感的には2時間もない。

★菅田将暉の鬼気迫る演技と野獣SEX
★原作寺山修司とは思えないとっつきやすさ
★興味がなくても見入るボクシングシーン

原作の狂気、暴力とエロ、青春ドラマの塩梅が絶妙で飽きない名作。

①何をおいても菅田将暉。
別に好きじゃない人間が言うんだから間違いないのである。こんなにイキってる演技が様になっている若手俳優はいない。無理がない。背伸びがない。そしてエロい。

②寺山修司とは→アングラ演劇の偉い人
小難しいアレだろと斜に構えていたが、なかなかどうして現代風にアレンジされておりとっつきやすい。本筋とは別に大学の自殺サークルの話が挿入されており、これなんか実に寺山的だが、小難しさが最小限に抑えられており妖しさの余韻だけが残る。脚色が抜群。

③そして本筋は
歌舞伎町のチンピラが昔の因縁を晴らすため、ボクサーとして成り上がる話。このボクシングシーンがまたいい。例によって、ボクシングには露ほどの興味もなくても熱くなれる。ドラム叩けなくてもセッションはおもしろい。それ。
小林

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