これは突き刺さりました。面白過ぎです。そして熱いです。
舞台は2021年の新宿。
外見も内面も正反対2人の男がひょんなことから片目のトレーナーに誘われボクシングを始めます。
ボクシング映画はやっぱり胸に沁みます。けれども本作はそれだけではなく、かなり近い未来の舞台設定であり、社会問題解決のために可能性のありそうな法案などに対するデモ活動や、それに伴う現象をダブルストーリーとして並行して進んでいく構成が非常に興味深かったです。
また登場人物一人一人が絶妙に過去を重ね合うという群像劇的要素も魅力の一つだったと思います。
新宿新次役の菅田将暉、バリカン建二役のヤン・イクチュン、この主演2人の演技は言うまでもなく素晴らしいのですが、個人的にはトレーナーのユースケ・サンタマリアが絶品でした。
若い頃のユースケ・サンタマリアはなぜか苦手なのですが、歳を重ねてものすごく味のあるキャラクターを演じきれるようになったなと感じました。
陰ながらも2人をプロのボクサーとして成功させようと努力する姿は涙ものです。
日本の明るいとは言い難い未来を新宿と2人の男性にスポットを当てた傑作青春映画です。
2017.10.21