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あゝ、荒野 前篇のonotoramanのレビュー・感想・評価

あゝ、荒野 前篇(2017年製作の映画)
4.5
男が何かに出会って強さを獲得していく物語はなんでこんなに惹き付けられるんだろう。

それにしても主人公が気持ちいい。少年院入ってたり職ないしでロクなもんじゃないけど、男は誰でもこんなやつに憧れてしまう。
対照的にもう一人の主人公はダサいし吃音だし、世間に打ちのめされてて憧れる要素がない。でも目が離せない。魂は腐ってないからか。自分の鬱屈した部分と重ねてしまうからか。そして、試合の後控え室でシャドウボクシングをしているときの顔がすごいかっこよくなってて驚かされた。
この映画では本筋とは関係ない自殺防止サークルのストーリーが平行して進行する。それ以外にも3.11を中心に、主人公達とは関係ないところで、世間の混乱のようなものが描かれるシーンが入る(映画は2021年の設定で徴兵に近い制度が施行されている)。これらのシーンが作り出す空気が、この映画を自分のための映画にしている…気がする。

わかりやすいエンタメじゃないし、まだ整理がつかないとこも多い。とりあえず後編見ないと。
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