菅田将暉のボクサー見たさに鑑賞。東京オリンピック後の新宿が、混沌として殺伐として現代の〝荒野〟。3.11や増加する自殺など、社会問題もほぼリアルな現代であり、主人公二人の底辺の孤独に、見ていて苦しくなる。あまりにいろいろな要素を盛り込み過ぎて、感情の整理がつかない。
シンジの熱量にヒリヒリし、ケンジの優しさにほっとする。今の境遇から抜け出そうと必死にもがく二人の姿に、はらはらしながら引き込まれる。本物のボクサーにしか見えない演技は凄い。
自殺防止活動の学生たちの内面が見えない感じも非常に現代的。お花畑の住人とダークサイドの住人。ドローンとか帰還隊員とかフクシマとか動画配信とか、これでもかとつきつけられる。身体ひとつ全身熱量のシンジたちとの対比と思われるが、できれば、シンジたちの物語に集中させてほしいところ。
思考と感情が消耗しすぎて、ひと呼吸おいてから後編だな。