小石川リョウ

アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男の小石川リョウのレビュー・感想・評価

5.0
今日は、でしゃばったお腹を何とか引っ込めたいという気持ちから、プールに行く予定だったが、改修工事中でリスケ(><)

久しぶりに黄金町ジャック&ベティさんに赴き、『アイヒマンを追え!』を鑑賞した(^^)
原題を直訳すると『市民vsフリッツ・バウアー』!なぜか?

内容は、1950年代後半、ドイツの地方検事長バウアーさんが、アイヒマンをイスラエルの諜報機関(モサド)に捕まえさせるために裏で動いた話…なのですが、当時のドイツでは、もうナチス時代は忘れたい、思い出したくないという人たちと元ナチス親衛隊だった人たちが沢山いて、バウアーさんは完全に孤立した状況で自らの正義を貫かなければいけない、そんな敵だらけのバウアーさんの状況と終戦後のドイツの国情を、緊迫感のある素晴らしい演出で観せてくれる映画だった。
まさに、直訳通り!

一昨年に観た、元ナチス党員をドイツ国内で裁判にかけるようになった時の事を描いた『顔のないヒトラーたち』の前日譚の様な映画だったので、改めてしっかり過去と向き合って未来を築いていく事の大変さ、痛さ、大切さを感じさせられた。

それにしても、ドイツでは1994年まで「同性愛禁止法」があって、戦後も本当にひどい差別を受けた人たちがいた事を本作で知った。

障がい者なども含め、多様性を認め合うのが当たり前という社会形成として細かい生きづらさの解消が必要だと心底感じる。

そんな事を考えながら、でしゃばったお腹を見ると地面が見にくい。
そうか「下を向くな」ってことか…
小石川リョウ

小石川リョウ