LEE

王妃の紋章のLEEのレビュー・感想・評価

王妃の紋章(2006年製作の映画)
3.6
英雄やLOVERSが好きだったので、その系列かと思い見た一本
ヘビーな一作だった


本作はとにかくドロドロとした宮廷愛憎劇
金や銀の豪華爛漫なビジュアルとは正反対の空虚な人間関係が展開されていく
前半はアクションがほぼなくておとなしいんだけど、水面下でよくないことがじんわりと進行している様子がたまらない
そしてそれぞれの思惑が交錯し滅茶苦茶になっていく後半はとにかく壮絶!
見ていてしんどい展開の連続なんだけど、面白かった
キャスト陣も素晴らしく、堂々と王を演じた周潤發、胸の奥に秘めたものを持つコンリー、不安定なリウイエなどほぼハマっていた
しかし!ジェイチョウは表情かわなさすぎて、この顔面パワーゲームに置いてけぼりにされていってしまった感は否めない
しかも最後までいる大事なポジションだったので、そこはなおさら気になった


チャンイーモウの映画といえばロケーションが印象的なんだけど、本作はほぼ王宮内で完結する話なのでそこはちょっと乏しいかも知れない
ロケーションも規則正しい建築物なので、ある程度本当にロケして撮ってるんだろうけどCGっぽさを感じてしまった
人がたくさん集まるシーンとかも同じ甲冑を着ているということもあってか、よりCGっぽく見えてしまったのが残念


アクションはチンシウトンなんで期待したんだけど、そこまで英雄やloversほどの新しさはなかった
個人戦というよりは合戦がメインだったり、鎧を着ているとかはあるとは思うけど、斬新な撮り方やハッとさせられるものはなかったし、名勝負もなくさらっと流れてしまったように感じた


映画の内容自体は面白かった一本
いい部分はあるだけに惜しいなぁ…
LEE

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