ボーン

ちょっと今から仕事やめてくるのボーンのレビュー・感想・評価

4.0
【ひとーーつ!有給なんていらない!】

絵に描いたようなブラック企業に勤めている青山が、謎の青年ヤマモトに出会い、交流を重ねるうちに大切なことに気づく話。
ところが調べると、ヤマモトはなんと3年前に亡くなっていて…

原作読破済。

前半めちゃくちゃ胸が痛い。
部長の口から次々と出てくるブラック企業台詞。ここまで暴力を振るう企業はさすがに最近はないとは思うけど、自殺者が絶えない日本は無視できない。
会社を辞めたところで死ぬわけじゃない。
そんなん当たり前なのだが、当事者はメンタルをボロボロにされて、胃がキリキリと痛む日々。頭が真っ白になって冷静に判断ができなくなっている。
そんなとき、本作でいうヤマモトみたいな存在が現れたらなあ…
陽気で笑って元気付けてくれる頼もしい存在は友人に必要だよね。




〜学生生活でのブラック擬似体験の話〜

アルバイトの日々を思い出す。

「最近の若者はすぐ辞める」
「すぐ辞めるお前に新しい仕事が見つかると思ったら大間違いだ!」
「考え方が甘いんだよ!!」

ぜーんぶ聞いた。

初めに言っておくけど、俺はそんなに仕事ができない。仕事ができないとはどういうことかというと、頭の回転が遅く、論理的に判断することが苦手で、物覚えも悪い。

それがよくわかったのが、
お世話になった2箇所のバイト。
某ファーストフード店と某居酒屋。
(上司の言い方が悪いのか、システムが悪いのか、俺のメンタルが弱すぎるのかわからないけど)
数ヶ月で辞めた。
すぐ仕事先を辞めるのはイメージ悪いし、メンタルが弱すぎるという理由が多く挙げられるから粘った。
最初のファーストフード店は店長がまさに本作の部長的な方だったんだけど、店のシステムが合わなかったから辞めた。

そして、二軒目の居酒屋。
オープニングスタッフだったために一人ひとりの仕事量が多く、とても大変。
次々と増えていく仕事に、混雑すると機嫌悪くなる親方。何度も怒られ目をつけられると萎縮して余計に仕事ができなくなるという悪循環に陥って壊滅状態に。
一軒目を早く辞めたこともあり、気持ち的にここは辞めたくなくて踏ん張ったのだが、もはやボロボロ。
夢の中では親方に謝りまくり、朝起きたら胃がキリキリしてお腹を壊すの繰り返し。
映画「きっと、うまくいく」の楽曲「オールイズウェル」を聴きながら通勤。帰宅したらなぜできなかったか自分を攻めまくり。
「俺は何もできないのではないか」
「ここも辞めたらバイトなんて見つからない」
と自己嫌悪に陥った。

それからバイト先を変えて、まず基本的で簡単と言われるコンビニバイトから始めようと思い、近所のコンビニで再スタートをきった。
それから今の今までとりあえず人生は好転。当時の自分に感謝しかない。

繰り返すが、俺は仕事ができる方じゃない。上記のバイト先で刷り込まれたようにはどうも思えない。ほんとに出来ないと思う。
俺にできることは自身の成長と環境の変化だけ。
自分磨きを欠かさず、ロジカルシンキングを身につけ、あらゆる知識を吸収する。
そして、自分に合う環境を探し続けていくしかない。

人生は終わらないから。
まだまだ続いていく。


小説のあとがきやら解説のようになってしまった笑
要は視野を広げればまだまだ可能性はあるというお話です。
ボーン

ボーン