これはエンタテインメント作品の皮を被った風刺を含んだ社会派の映画、という韓国っぽい映画かなと思いました。
彼らが目指す釜山は、朝鮮戦争時に韓国の人々が逃げた先です。
ゾンビものってどれもそうですが、さっきまで同じ釜の飯を食ってきた仲間が次の瞬間には敵になって殺し合いをしますよね。
朝鮮戦争もそうでした。
たまたまその時そこにいたから北朝鮮軍になったとか、ゆえに兄弟同士で戦ったり、親族どうしが敵になったり、とにかく昨日までの同胞と戦わなければ行けなかったのがあの戦争です。
それをよく表していたと思います。
ゾンビそのもののより、同じ人間にも恐怖を抱き始めますよね。セウォル号の事故も思い出されます。
韓国でこれが大ヒットしたのは、そういう背景があったからかもしれないと思いました。
でも、そこに詳しくない日本人でも楽しめるというのが、韓国映画のすごいところだなと思います。エンタテインメントと社会生をどうやって両立できるんだろう。すごいです。