試写会に参加。全編に渡るオダギリさんのスペイン語が予想以上のもので本当に感心した。
冒頭のゲバラ日本滞在については全く知らなかったが、淡々としたものながらとても素晴らしいシーンとなっていて、知ることができてよかった、ゲバラについてもっと知りたいと思えた。
また、真面目で誠実で正義感に溢れる温かいフレディの人柄についてもとてもよく描かれていて、彼のその人柄と真摯な思いを通して、彼の回りで起きている出来事を感じさせてもらうことができた。
ただ、フレディがゲバラに心酔していくことになった衝撃や衝動のようなものがはっきりとした形では描かれていなかったため、自分の幸せに繋がっただろうもの全てを投げうってまでして、なぜゲバラ、そして戦うことに傾倒していったのかがやや実感できなかった。その辺がもう少しフレディの主観的なエピソードなどで描かれていれば、より共感できたのではと思った。
とは言え、万が一の時に知らせたい人はというゲバラの問いに「母を悲しませるつもりはないので」と当然のように答えるフレディと、そんな彼にサラリと「エルネスト」という呼び名を与えるゲバラ、そしてその名前を口にした時のフレディ演じるオダギリさんの表情。。ごくさりげなくこれといった特別感なく描かれていたシーンだったからこそ、その裏にある思いの重さ、深さ、敬意などと痛いほど感じ、とても心に残った。
この作品を機に、ゲバラ、そしてフレディという人についての本などを読んでみたくなった。
余談ですが、映画上映前の渡部陽一さんの印象とお話がとても素晴らしかった。
元々好きな方でしたが、写真だけでなく、美しい言葉と真摯な表情で、自分の思いを正確に相手に伝える力のある方だなと改めて思いました。リアルな渡部さんのお話を聞けたのも大きな収穫でした。
