エルネストの作品情報・感想・評価

エルネスト2017年製作の映画)

上映日:2017年10月06日

製作国:

上映時間:124分

3.5

あらすじ

キューバ革命の英雄、エルネスト・チェ・ゲバラ。自らの信念を突き通した生き方、その比類なきカリスマ性によって、今なお世界の人々を魅了し続けているこの男-は、1967年、ボリビア戦線で命を落とした。同じ頃、ボリビアでゲバラと共に行動し、ゲバラからファーストネームである<エルネスト>を戦士名として授けられた日系人がいた。その名は、フレディ前村。日系二世として生まれたフレディは、医者を志し、キューバの国…

キューバ革命の英雄、エルネスト・チェ・ゲバラ。自らの信念を突き通した生き方、その比類なきカリスマ性によって、今なお世界の人々を魅了し続けているこの男-は、1967年、ボリビア戦線で命を落とした。同じ頃、ボリビアでゲバラと共に行動し、ゲバラからファーストネームである<エルネスト>を戦士名として授けられた日系人がいた。その名は、フレディ前村。日系二世として生まれたフレディは、医者を志し、キューバの国立ハバナ大学へと留学する。そしてキューバ危機のさなかにチェ・ゲバラと出会い、その深い魅力に心酔し、ゲバラの部隊に参加。やがてボリビア軍事政権へと立ち向かっていく。

「エルネスト」に投稿された感想・評価

いまなおカリスマ的人気を誇る英雄チェ・ゲバラ、彼には語られざる一人の同志がいたー。ゲバラからファーストネーム“エルネスト”を授けられたもう一人のゲバラ。半世紀の時を経て“革命の侍”が甦る!
琴乃

琴乃の感想・評価

3.7
かっこいい男達…
試写にて。公開後、感想を書きます。
エルネスト
10/6公開ですが 一足早くレビュー。

チェ・ゲバラのファーストネームである「エルネスト」の名を授けられた日系人 フレディ前村ウルタードを描いた実話ベースの物語。
1962年
日系二世の青年 フレディ前村ウルタード(オダギリジョー)は、故郷ボリビアのために医者となるべくキューバの国立ハバナ大学へと留学する。
大学生活・キューバ危機・ゲバラ(ホワン・ミゲル・バレロ・アコスタ)との出逢いを経て着実に成長していくも、ボリビアでの軍事クーデターを知り革命支援隊へと加わる決意をするのであった。
自らの信念を貫き通した男達の姿を通し、自身の心で決断していくことの価値を描いた作品だ。

思い知らされた
如何に自分が流されて生きているのかを
決断することを避けて生きているのかを
二人の男の生き様を前に自覚させられた。

チェ・ゲバラ
その名を耳にすると、何となく知っておかなければいけない空気感が漂う
知らずにいる無知な自分がバレるのも嫌
だったらこんな作品は観ない・触れない・関わらない
もしかしたらそんな思考が働く人もいるのかもしれない
年代によってはピンとこない存在なのかもしれない

どうか安心して欲しい
ぼくも大して分かっちゃいない
彼の若かりし頃を描いた「モーターサイクル・ダイアリーズ」を観るまで、チェ・ゲバラが本名だと思っていた
今作を観るまで、彼が広島を訪れていたことさえ知らなかった
タバコのパッケージやTシャツのアイコンとしての印象の方が強い位
そんな認識でも十分響いた
というか、万人の心に響くモノが描かれていた
不要な思い込みによってハードルを上げてしまっているのだとしたら、取っ払って欲しい
歴史や政治に疎いぼくですら胸打たれたのだから、あなたの心にだってきっと届くはず。

毎年8月になれば誰もが戦争の犠牲者を悼む
繰り返してはならぬと戒めのように心に刻む
原爆の存在を拒否する
そう思っていた
あなたを否定するわけでもないし、全ての人がそうだと言うつもりもない
が、悼んだつもりに 刻んだつもりに 拒否したつもりになっているだけの人が多い
少なくともぼくはその内の一人
教育・モラル・世間の風潮に従っているだけで、自ら生み出した強い想いを宿しているわけではない
外国人であるゲバラが広島の地へ、平和記念公園へ訪れる姿を見ていて思った

ぼくは日本人であるにも関わらず、献花や黙祷のために広島・長崎へ訪れたことが一度もない
訪れることだけが全てではないことも分かっちゃいるが、自国のことだというのにゲバラ程向き合ってもいない
平和や自由について考えてもいない
考えたとしても8月だけ、戦争を扱う物語に触れた時だけ
「原爆を落としたアメリカを何故追い出さない」と言うゲバラの問いにだって答えられない

自由のために闘うゲバラ
故郷のために医学を学ぶフレディ
日本人としての誇りも自覚も欠けた自分
自分で自分が情けなくなった。

流されるがまま生きていれば 他人に決断を委ねていれば、キツいことも少ないし 深く傷付くこともないだろう
大きな責任も伴わないし、人のせいにだってできてしまう
それなりの幸せだって得られるのかもしれない

けれど、真に価値あるモノを得られるのはいつだって自ら決断を下した時
仮に失敗したとしても、自分で決断したのならば受け入れられる
その経験を糧とし、次に活かすことだってできる
だが、他人任せの決断では何も得られない
糧になどできやしない
自ら生み出した想いなくして前へなど進めない。

誰だってはじめは親の敷いてくれた道を歩んで生きる
親元を離れることで、自らの道を模索していく

人生に正解はない
あっても人それぞれに答えは異なる
既存の選択肢の中で満足できる人もいれば、自ら選択肢を創出しなければ幸せを得られない人だっている

魅力的な人に乗っかるのも一つの手
絶対的な信頼を置ける人ならばアリだろう
問題は、その人を欠いてしまった時にどうするか
Google先生を正とし、辞書を引く機会すら減ってきた現代
ネットの情報で何でも賄えてしまうのも事実だが、自分の心で 五感で体験していかない限り血肉にならない
自分のモノにはできやしない

フレディ前村ウルタード
彼の存在を知ることができて本当に良かった
チェ・ゲバラからの助言を胸に成長していく彼の姿に勇気を貰った
自分で決断し、失敗も成功もその心でしっかり噛み締める
現状そうできていない自分がいるからこそ、彼の姿勢に引き込まれた。

近い将来、広島にも長崎にも行こうと思う
いや、思うんじゃなくて必ず行く
日本人として恥ずかしくない生き方をしていきたい
他の誰でもない
自分自身の人生を、自らの決断を以って歩んでいきたい。

キューバに初めて訪れたフレディの姿は、高校を卒業して上京したばかりの若者と同じ
かつてのあなたやぼくと変わらない
そこから先、どう生きていくか
その違いだけ

チェ・ゲバラ没後50年となる2017年
歴史映画としての側面もありますが、より良き人生を歩むためのヒントを与えてくれる作品でもあったと思います。

ぜひ劇場でご覧ください。

青春★★★★
恋 ★★
エロ★
サスペンス★★★★
ファンタジー★★★
総合評価:A
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