「この映画はカラー撮影されたタゲレオタイプ。ここで暮らす人々の肖像だ。 」
パリ14区モンパルナスの一角にある庶民的な商店街、タゲール通り。世界で初めて写真撮影に成功したタゲールの名を冠したその通りには様々な店が立ち並ぶ。
下町の商店街を、過剰に美しくも揶揄もせずフレデリックワイズマン的にフラットに映し出すドキュメンタリーである反面、カフェで催されるマジックショーと下町の商人達、夢と現実、を対比して描く所にはドラマが盛り込まれていてどこか寓話的でもある。タゲールで長年暮らしていたアニエスの街と人々への愛を感じた。
香水店の老夫婦が素敵でした。おじいさんがバゲットを抱えて、2人寄り添って歩いてる姿にしみじみした。