ダゲール街の人々の作品情報・感想・評価

上映館(1館)

ダゲール街の人々1976年製作の映画)

Daguerréotypes

上映日:2019年12月21日

製作国:

上映時間:80分

あらすじ

「ダゲール街の人々」に投稿された感想・評価

GATS

GATSの感想・評価

3.9
アニエス・ヴァルダの目。
時間の澱が僕らの目にたっぷり塗られるように写されるイメージ、グラス窓、木扉、アコーディオン。

人々の、アートとしての職業が身体を持ってなされることへの関心、得に彼女の撮る手のカット、これはアニエス・ヴァルダのフェティッシュだと思う。
映すことをするアニエスと、映されることをする人々との対話、とでも言えるような。空間旅行。
字幕 横井和子
『アニエス・ヴァルダをもっと知るための3本の映画』
KKMX

KKMXの感想・評価

4.0
ヴァルダが住んでいるダゲール街の人々の日常を撮影した作品。
割と地味な街で小売店など小規模な商売をしている人々を撮っているので、独特の味わいがありました。

本作で映し出されたダゲール街は70年代のフランスの割と下町風の街です。なんとなく北千住とかあの辺の味わいがあるかも。ブルースタジオありそう。
で、この当時は個人商店でみんな買い物してますね。今ではほとんど見ることができない光景ではないでしょうか。基本店が閑散としているのもイイ。

香水売ってる店の老夫婦が素敵でした。お爺さんが「妻は昔とても美しかった」と言っておりまして、そのセリフはなんか刺さりましたね。最近は長いパートナーシップの中で、外見的な魅力で惹かれ合う時期はあるに越したことはない、と思っていたので。
お婆ちゃんは認知症っぽくて、お客のフカフカのコートを触ったりするのですが、客も特に文句を言わず、それが良いですね。この当時のダゲール街には、そういう包括的な空気が感じられました。


街の住人でないヤツがひとりだけ登場します。彼は奇術師ミスタグ。寄席芸人的なマジシャンで、浅草にいそうなタイプでした。意外なほどミスタグのマジックに尺を取っていたのがウケました。ヴァルダはあのマジシャンのファンなのかな?結構凄腕でしたし。

終盤は夢の話。夢は俺が最も関心を持つ事象ですが、本作ではあまりピンと来ず。みんな仕事関係の夢が多くて、生活がシンプルだなぁ〜としみじみしました。


ここに収められている内容は、人々の慎ましくも丁寧な暮らしでした。世界的な自由競争と規制緩和の結果、こういう生活は完全に過去のものになってしまいました。包括的な世界が無くなってしまったワケですから、世界中がギスってヘイトとかが流行っちゃうのも仕方ないのかもしれない。結局、新自由主義Fxxk! ってことに尽きます。
ヴァルダはこの穏やかな世界がいずれ消え去ることをどこかで予感していたのかも、なんて想像しています。

まぁ〜それとは別に、昔の人たちの生活をしっかりパッケージ化した、貴重な文化人類学的資料だと思います。いろんな意味で興味深いドキュメンタリーでした。
まるい

まるいの感想・評価

5.0
とある時代、とある街の一角を描いた、何枚かの絵画を眺めたような気分になった。ショットの構図が美しいという話ではなくて、曖昧な想像が広がるスイッチが押されるような感覚が似ている。

生き生きしてるのにすごく計算された風俗画とか、ちょっと内面世界に踏み込んだうっすら不安を覚える絵のように、商いをするプロたちの手さばきに日常にひそむ魔法やショータイムを見出したり、夫婦たちの思い出話のズレとか、香水店の女性の様子がなんとなく気になってしまったり。

何よりもドキドキしたのは、最後に出てくるポートレートたち。肖像画とか、撮影時間のかかる昔の写真(ダゲールによって露出時間が30分に短縮された)を思わせる。あんなに生き生きした姿を見せてくれていたのに、かしこまった絵みたいになった人たちと目を合わせる静謐な時間。今はもう生きていない方もおられるだろう。

制作から何年も経った未来で観られたときのこの気分まで、監督が意図していたのかはわからないが、このフィルムに記録された時間や営みを思い、胸が詰まった。
それぞれの店に流れる空気があまりに心地良くて途中うとうとしてしまった。
奇術師のシーンとのモンタージュによってなのか、ダゲール通りに立ち並ぶ商店を営む人々の暮らしに映画の魔法を感じてしまう。撮る/撮られるという力関係を感じさせないのは、実際にアニエスがこの街で暮らしていたからだろうか。静止してカメラを向く人々のショットはどこか儚く、愛おしい一瞬を切り取っている。
そして、香水屋の奥さんの佇まいと沈黙、外に向けられる視線、いったいなにを見ているのだろうか。彼女にとても惹きつけられた。
香水屋のお婆さんへの寄りのアングルが多い。他所者であるマジシャンとダゲール街の人々とのリンクのさせ方が上手い。
弟ぽん

弟ぽんの感想・評価

3.8
オープニングの既視感は一体なに?

いわゆる「なんでも屋さん」がない街に僕も住んでみたいな。

雨戸の開閉のシーンがとっても好き。
えりか

えりかの感想・評価

4.3
アニエスヴァルダの作品を見ると映画を作るのにはCGや派手な演出、特徴的な言葉もなにもいらないと気づく。
ダゲール街の人々の目はどのセリフよりも力がある
ryo

ryoの感想・評価

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ダゲール街とステレオタイプでダゲレオタイプ、でもある。大時代的なマジシャン、町の香水雑貨屋さんと「恍惚の人」、肉屋の手つき。
これ元スーパーカーのナカコーも似たようなこと言ってたんですけど、「鑑賞しながら寝てしまう」っていうのは悪いことじゃなくてそれだけその作品が心地よく自分に入ってきてるってことである意味プラスなんですよね。すごい作品なんですよ。前半はともかく後半は割としっかり観てましたがマジで異質。
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