悪魔の棲むYeah

ダゲール街の人々の悪魔の棲むYeahのレビュー・感想・評価

ダゲール街の人々(1976年製作の映画)
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パリ14区・ダゲール街に住む人々の営みを映したドキュメント。この前みた『コロンバス』とは違うけど、街とそこで生きる人についての映画。
途中に挟まれる監督の言葉で語られるように、地方出身者が多い(農村の香り、という表現)印象。その素朴さのようなものを監督は愛しているんだと思った。

一方で、にこにこしている人が、ふと遠い目をして物思いにふけるようなところも映していて、そこにはなんの説明もないんだけど、微笑ましい場面だけかき集めて煮詰めている映画ではなかった。見ていてかすかに淋しい。

半世紀も前に撮られた映像だから、繰り返し映される何人かは、多分もうどこにも居ない。
とりたてて事件も起きないから、退屈する人も少なく無い気がするけれども、いまの自分にはとても良かった。