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スプリットのonotoramanのレビュー・感想・評価

スプリット(2017年製作の映画)
4.0
シックスセンスはもちろんビレッジでも衝撃を受けた子供時代。もう少し大人になってTSUTAYAでシャマラン監督作品借りてみたけどがっかりが多かった20代前後のころ。それからまた時間が経って、全然期待しないで見た今作。これは…あのころのシャマランだー!!

シャマランの良さって無駄のなさと世界の広がりだと思う。
無駄のなさっていうのは例えば、散りばめられたパズルのピースが最後残さずきれいにはまる気持ちよさみたいなもので、スプリットはヒロインの過去とかカウンセラーとのやり取りとか意味ありげな伏線が最後ちゃんと意味を持ってくる心地よさがあった。
それから世界の広がりは、観客に想像させる余地をたっぷり残してること。ヒロインの過去何があったかも決定的なことは話してない。でも想像を書き立てる。だからよけい、怖い。多重人格の主人公の人格だって24もある必要はない。映画の中でも主要なのは4つ程度で半分以上は出てきてすらいない。でも24あることでそれまでの「彼」に奥行きを感じる。
そしてすこいのが、無駄の無さと世界の広がりが両立してること。パズル的に作られた作品は世界観が矮小化しがちだし(運命じゃない人とか)、世界が広がっていく作品は上手くまとめるのが難しいと思う。でもスプリットはそのどちらも失わずに昇華できていた。

あとこれ、完全にヒロイン目線のパニックものとして見たら全然面白くないんじゃないかな。多重人格者にどれだけのめり込めるかが楽しめるかどうかのポイントだと思う。

それから何より、ヒロインがかわいかった!!多重人格者の演技もすごかったけど、ヒロインが、すごい、かわいかった!!!
待ち受けにしよう。
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