まぐこ

関ヶ原のまぐこのレビュー・感想・評価

関ヶ原(2017年製作の映画)
3.8
Amazon prime video で2回目の鑑賞。
天下分け目の戦・関ヶ原の戦いに至るまでに日本で何が起きていたのか、そして関ヶ原の戦いはどのようにして決着がついたのかが描かれている。
原作は史実に創作が付け加えられた司馬遼太郎の小説。

良い点は、従来裏切り者の汚名を被って来た小早川秀秋が最期まで苦悩するキャラクターであったこと。

三成が弩を放ちながらグングンと前進するシーンがかっこよくてお気に入りです。アクションシーンはさすが岡田准一というべきです。このシーンのためだけでも観る価値がありますね。
そして三成の最期の言葉…「これぞ、…我が正義」がとても印象的です。

「争いは互いに正しい(正義)と思っている」とよく言いますが、三成は「豊臣家の築き上げた泰平の世を守るため」、家康は「秀吉亡き後の泰平の世を守るため」に戦います。お互いに目指す場所は同じなのに、考え方ややり方が衝突してしまい、新たな争いが生まれてしまいました。

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残念な点は、登場人物の台詞が聞き取りづらい点。
薩摩・島津軍は「なんか変な奴が来た」を表現するため、あえて訛り強めで聞き取りづらくするために編集しなかったらしいですが、それ以外でも基本台詞は早口で滑舌も良いとは言えず、私は「何を発してるかは分からないが、何を言ってるかは分かる」状態でした。しかし歴史に詳しくない方や、キャスト目当てに見る方は台詞も聞き取れない上に説明もないので状況を理解するのは難しいのではないかと思います。
なので視聴前に少しでも関ヶ原の戦いについて予備知識を入れておくことをお勧めしておきます。

以前「関ヶ原は情報戦であるため、陰で活躍した忍者を多く描いた」という考察を見て納得はしましたが、それでもオリジナルキャラクターが活躍し、関ヶ原の主要人物たちが空気気味なのは少し寂しい…。

本作、関ヶ原に至るまでを描いていますが、史実的にもかなり省かれている点が多いです、しかし私としてはこれほどのスケールで関ヶ原の戦いを描いてもらえただけでも嬉しいことです。
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