荒野の狼

関ヶ原の荒野の狼のレビュー・感想・評価

関ヶ原(2017年製作の映画)
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ワイドなスクリーンと相まって、とにかく絵面(えづら)が意味もなくだだっ広(ぴろ)いのだ。モノと人はあるのだが、楽曲に例えるならばこの映画、そこになくてはならないハーモニーも調(しら)べも旋律も、ことごとく欠如している。つまり、両手を広げすぎて、持っているものを全部落としてしまっているような情けない感覚といえばよいか。これでいったいどんな曲を奏でようというのか。役者がそこに居るというより、散らばっている感じ。これは空間をたっぷりとったというより、取りすぎであろう。例えるならば、ほとんど景品が残っていないユーフォーキャッチャー。結果どのシーンにも締まりがない。加えて役者の演技にも支柱(ほね)がなく、早口すぎるセリフ。まるでプラスチック製の雛人形のようだ。関ヶ原と言うより例えるならば、草野球だろう。小柄なせいか、本来ならホトケの岡田くんが飽くまで例えだが、タマシイの入ってないテルテル坊主にしかみえない。
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