関ヶ原のAGのネタバレレビュー・内容・結末

日本史上、最も有名な天下分け目の大合戦、関ヶ原の戦い。
大河ドラマ「軍師官兵衛」にて、同時代の名軍師を演じた岡田准一を主演に、役所広司、有村架純、平岳大など実力派の俳優陣に、監督は「日本のいちばん暑い日」や俳優としても「ラスト・サムライ」等で有名な原田眞人。

ここまで聞くだけで既に昨今稀に見る超大作を期待し、鼻息荒く劇場に向かいました。
その浅はかさを少々後悔しつつレビュー。

終盤の合戦シーンの臨場感や迫力だけではなく、それまでの過程を楽しみたいのであれば、合戦当時の主要な人物名、各家の色や思惑も事前に予習が必須となります。
その理由は、他レビューにも頻出している通り、台詞の聞き取りにくさの一点につきます。

主演の岡田准一さんも、前述の大河ドラマや他作品と比較すると『え、こんなに滑舌悪かった？』と耳を疑いたくなってしまうほど。
邦画作品を鑑賞しながら字幕が欲しいと思ったのは初めてでした。
ある意味、合戦を間近に熱り立つ男達の荒々しい様をリアルに演出しているとは思うのですが。

そして聞き取りにくさ以外の点では、忍びとして登場した有村架純さんと三成との突発的かつ強引な恋愛展開にガッカリ。
極め付けは勝敗を決する上で、かなりの重要人物である小早川秀秋を演じられた俳優の方の軽さにトドメを刺されてしまいました。

そんな中、島左近を演じられた平岳大の男臭さ全開の武骨な格好良さと力強い眼光には終始惹きつけられっぱなしでした。
もはや主人公であったと言っても過言ではなかったと思います。

映画の山場である合戦シーンでは、大群同士が入り混じり折り重なりながら戦う臨場感がダイナミックに伝わってきました。
最近唱えられている、槍は敵を叩く武器と言う説もリアルに再現されていましたが、やたらとそのシーンが多く、少々のクドさも感じました。

総合的には、SF的な鑑賞をするのか、ドキュメンタリー的に鑑賞するのか。
最後までどちらにも集中し切れずにいつの間にか終わってしまった、そんな印象でした。

大迫力の合戦シーンと平岳大さんを楽しむだけでも映画館に行く価値は十分にあったと思います。思いたい。