【違う、そうじゃない。隣の人。】
鈴木ぃ!お前…何から逃げてるんだ?
これからお前が行く所は奈落だ。あの世でもなければこの世でもない。あそこには入口はあるが出口は無い。どういう事か分かるか?鈴木雅之という人間は生きながらこの世から抹殺されるんだよ。お前の人生、最期はせめてシャバで死なせてやりたかったが、それももう叶わん。
まあ実際、ここに来てしまえば名前で呼ばれることもありませんから。自分の名前覚えてる人の方が少ないんじゃないですかね?ここの囚人達は名前ですら区別されてません。我々は総称して〝泥〟と呼ばれる物として扱ってるだけです。
鈴木…間違ってるぞ。