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十三人の刺客のodyssのレビュー・感想・評価

十三人の刺客(1963年製作の映画)
3.8
【群像劇として悪くない】

1963年、モノクロの時代劇。

明石藩の殿様は暴君だが、将軍家の血を引いているので、正面から裁くことはできない。
そこで藩主を暗殺する計画を立てて、13人の武士が集まり、江戸屋敷から参勤交代で明石藩まで帰ろうとする藩主を、或る宿場町で待ち伏せて・・・という筋書き。

時代劇史上よく知られた映画。2010年のリメイク版も見ているのだが、元のほうは後になってから鑑賞。

最後に長大な戦闘シーンがあるのがウリだけど、むしろそこに行くまでの過程のほうが面白い。片岡知恵蔵をはじめ、嵐寛寿郎、里見浩太郎、西村晃など、武士の個性の描き分けが優れている。

またバカ殿を守る役の内田良平や、バカ殿に息子と嫁を殺され復讐を誓う尾張藩家老役の月形龍之介など、十三人の中に入らない役どころも充実している。

群像劇的な面白さを味わうべき映画。
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