派手さはないけど、全てのクオリティが高くてスマートな作品だった。女性差別、黒人差別というテーマを扱っているにも関わらず、過度に嫌な気持ちにさせたり、重し苦しさだったりを感じさせずに、むしろ爽やかさすら感じる作りになっているのが素晴らしかった。
ストーリー自体は実話をベースにしているわけだけども、差別している側を極端なキャラクターにしたりせずに、無意識的にというか、差別が当たり前のものになってしまった社会のような描き方だったり、さりげなくて細かい演出なんかも随所に散りばめられていて、本当に上手だなと思った。
音楽や衣装がこんなに作品のカラーに影響するものかと、改めて映画における役割の重要性を認識させられた。
役者も主役3人はもちろん、差別側の人たちも抑えが効いた演技で素晴らしかった。飛行士の人も印象に残った。
まさに今自分が仕事において、差別はされていないけど、正当な評価やポジションなのかと思うことが多々あるタイミングで観れたのもよかった。彼女たちよりはよっぽど恵まれているんだし、もっと頑張って自分の力で掴み取らないといけないと気合いが入った。
ただ、色んな人が言ってるんだろうけど、邦題のセンスのなさは異常。
