土屋ノリオ

レッド・スパローの土屋ノリオのレビュー・感想・評価

レッド・スパロー(2017年製作の映画)
3.9
エドガー賞の処女長編賞にも輝いた経歴を持ち、CIAで33年間に渡り工作員をしていたジェイソン・マシューズ原作のスパイ小説の映画化。『ハンガーゲーム』の監督・主演コンビであるフランシス・ローレンス監督がメガホンを撮り、主演はジェニファー・ローレンス。バレリーナとしての将来を絶たれたヒロインが、叔父にスパイとして育てられ、相手を誘惑しコントロールする心理操作でハニートラップを仕掛けていく物語は予告編とのイメージと違いアクションは控えめのスパイ映画。やはり原作が良いのであろう、前半はジェニファー・ローレンスの妖艶さが際立つ展開で引っ張り、中盤から後半にかけてどんどん良くなっていく。暗転するエピローグも絶妙な感じで分かりやすく、世間より自分は高めの評価。ロシアの外交官120人余りがEUとアメリカから追放され、ロシアは国際社会で孤立無援状態。平昌五輪でも国として出場することが認められず、イギリスでは自国の外交官の暗殺事件を起こすなど、今の御時世にぴったりな本作はジェニファー・ローレンスの身体つきでバレリーナ設定等には無理はあるのだが、それを差し引いても十分楽しめた作品!
土屋ノリオ

土屋ノリオ